ジョーカーのレビュー・感想・評価
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心の元気な時に…
階級社会や貧困・差別に翻弄され、僅かながらも心の拠り所であったモノさえ幻と化してしまった主人公が、最後に辿り着く悪しき覚醒。
「ダークナイト」のヒース・レジャー版ジョーカー(他のジョーカーも同様だが)と重ねてしまうとちょっと違和感があるのは否めない。
ただ、バットマンシリーズの有名どころは何本か観た上で、恥ずかしながらどれも私にはあまりピンと来なかったというのが正直なところなので、純粋に「絶望から生まれる狂気」の物語として堪能した。
やはり何しろホアキン・フェニックスの熱演。ひとまずはそれに尽きる。
とは言え、本当に「救い」のない話(その救いのなさが、結果的に彼をヒーローにさせる皮肉になっている訳だけど)なので、彼の闇に観ているこちらが引っ張られてしまう。
それだけすごい演技であることは間違いないのだが、鑑賞後のこの重さはさすがにキツかった。
あの最後のゴッサムの騒乱も、警察官の銃撃も、覆面の暴徒たちも、この2019年現在においてはとても単なるフィクションとは思えない仕上がりになっているあたりもまたズン、と来る。
私自身、そういう種類の映画が嫌いな訳ではないものの、心の元気な時、余裕のある時に観ていれば、また違った感慨があっただろうとは思う。
ただ、一つだけ言うなら、貧困や格差、病気や差別がもたらす恐怖を描いた物語としては素晴らしくあっても、それが稀代のダークヒーロー「ジョーカー」の誕生譚であるってのは、ファンからするとどうなんだろう。
彼の行動には原理や根拠がない(分からない)からこそ、彼は強大で恐ろしい存在であり続けられるのではないのか、と思ったりもする。
…というコトで、作品自体のクオリティからも★4.0個にしたかったところですが、「私の今の心の問題」という個人的事情で3.5個とさせて頂きました。
過去のバットマンの見方が変わる映画
今までのバットマン映画においてアルフレッドやトーマス・ウェインはあたかも聖人のように描かれていたが、今作の彼らは嫌味な上流階級の人間というイメージが色濃く出ていた。
これはお坊っちゃまのブルース視点では無く、底辺層の人間のアーサーという男から見た彼らを描く事によって、終盤でジョーカーがフランクリンとの対談で語っていた「善悪なんて個人の主観でしかない」という事を表す為だと思う。
これを観た後では、その彼らによって育てられたバットマンは正義だとは思えなくなってしまう。
ゲイリーグリッター
映画としては俳優達の演技、映像、音楽、全て素晴らしかった
ただ、これまでのコミックや映画でのジョーカーとしては疑問
この類の映画レビューで長々と美辞麗句を並べ、何か社会問題と絡めたがる人にはオススメの大傑作ですね
私個人としてはゲイリーを逃した後のゲイリーグリッターがツボでした
アーサーの一人称世界
ってどなたかレビューに書いてたけど、本当に彼の主観の世界に巻き込まれてしまった。
彼が踏ん張って善人であるうちは胃が重くなるようなしんどさがあり、逆に殺人を犯した後の高揚感には見ていて少し楽になってしまった。共感してしまえるのが恐ろしい。
アーサーの不器用な字のノートが出てくるシーンに何故か悲しくなったんだけど、劇的な怒りのシーンや彼の活躍シーン(本人の妄想??)みたいな彼の一人称視点から、急に客観視点に引き戻されたからかも。コメディアン志望の彼のネタ帳のはずが、覗いてみると精神不安や妄想の連なったノートになっている…
アメコミ映画だし、途中から反則みたいに強いジョーカーが誕生したり嘘見たいに極悪なヤツだったら気楽なのに、アーサーはひたすら現実的に弱くて優しさもある人。
この映画の状況が、めちゃくちゃ現実的に思えてしまうのがしんどいなぁと思う。
怪物・バケモノであるジョーカーを観たかった。
鑑賞後、一番に感じたものは違和感。
俗っぽく言えば『コレじゃない感』
いちばん観たくて期待したのは、常人であるにもかかわらず怪物・怪人・バケモノとして恐怖されるジョーカーの話だった。
しかし映画としては大変に見応えがあり面白い。
気弱で社会的弱者の男(アーサー)が、妄想と自己愛で吹っ切れてしまうまでを描いた映画。
しかしそれだけでなく、アーサーという人物を”わかりやすい不遇の男として描いていない”ところも魅力だった。
アーサーは突然笑ってしまうという病気のため、人々に誤解されないよう『僕は病気のため突然笑ってしまう。許して。』というカードを持ち歩いている。
しかしそんな事情を知らない人々は突然笑いだす彼を奇異な目で見るのだが、このカードを見せられることで自分自身を後悔することになる。
しかし、アーサーは本当に発作的に笑っているのだろうか?
劇中でアーサーの仕事仲間が、彼の同僚を笑いものにするシーンがある。アーサーもいつもの発作のような笑い方で一緒に笑うのだが、その場を離れるとピタッと笑いを止めてしまう。
アーサーの近くで酔っ払いが女性に絡み、彼等が無視されると同時に笑いだしたりもする。
ショーパブでコメディアンのショーを観ながら、観客が笑った後でタイミングをズラして笑ったりもする。
このようにアーサーはまるで意図的に笑い、周囲の人間たちを馬鹿にしているような描写もされている。
クリストファー・ノーランのダークナイトでも描かれているように、ジョーカーは『人間の心の奥底は醜い』ということを証明したがっている。
アーサーの笑いも、実はここに起因しているのではないか。そういろいろとアーサーという人間について考えを巡らせてしまう。
そういった、どこまでも掴みどころのないジョーカーというキャラクターを描いた良作である。2回3回と観るたびに感じ方が変わるかもしれない。
ラスト、病院のシーンも、まるで私たち観客がジョーカーのジョークに付き合わされ、掌の上で転がされているような演出も面白かった。
良くできた大作サイコホラー
キャラクターの予備知識なく、なんかアメコミのヴィランの人でしょ?位の軽いノリで見に行ったら、思いの外しんどめのヤツだった…。
バットマン知らん勢から見ても、充分良くできたサイコホラー作品として楽しめた。というか全然楽しくはなかったが。
雨、高層ビル、貧困街。暗さと汚さと虚飾の入り交じる世界観も見事に表現され、光と影に彩られる映像、アングルも一つ一つ哀しく美しい。
何処までが現実、何処までが妄想なのか。進むにつれて曖昧に、朦朧と脳内に閉じ込められていくような感覚もいい。
私は本当に役者を判別せず、観賞後にサイトを見て漸く、「え、アーサー役ホアキン・フェニックスか!?てかあれロバート・デ・ニーロだったんか…」てな体たらくで大層申し訳ないが、ホアキンの鬼気迫る演技は、ネームバリュー関係なく文句なしで素晴らしかった。
嘲笑、悪意の蔓延る現実、格差社会、政治やマスコミの嘘など、現代にも重なる閉塞感と鬱屈が、妙にリアルに神経を逆撫でしてくるのが怖い。
ラスト、司会者との問答は、そのまま犯罪者側の主張と社会的な倫理との対峙として描かれていると思うが、ジョーカーの台詞通り、「善悪なんて自分で決めればいい」と、彼は社会や他人に沿おうとする事を止め、自分の決めた善悪のみで生きる道に踏み出す。
それは狂気というよりは、ただの価値観の転換に過ぎないようにも思えて、薄ら寒くなる。
他者に受け入れられず、排他される立場で望んだのは、【フツウと違う自分でも愛し、受け入れてくれる世界】だったろうに。結局、許容できないものを悪意と暴力で取り除く、彼が憎んだ人達と何ら変わらない価値観に堕ちちゃったね。
視点をほぼアーサーに絞って、真実と虚構を曖昧にするのも、共感し易い背景状況や心情の描写も、徹底的に追い詰めた先の爆発も、観客を引き込む為の仕掛けのひとつ。製作側の描きたいのは、政治批判でも、思いやりの大切さでも、暴力の肯定でもないという印象を受けた。
だからだろうか。余り重いメッセージ性は感じていない。とても良くできたホラー大作だなぁというのが、私の感想。
OPタイトルやエンドロールが、古きよきコメディ映画を彷彿とさせるスタイルなのも、盛大に皮肉が効いている。
ほうら、俺の人生、最高の喜劇だろう?と、ジョーカーの笑う声がする。ちっとも笑えない、と、八の字眉毛とヘの字口でスクリーンを睨む私がいる。
シームレスに繋がる妄想と現実
例えばアーサーと自分、人の感情はシームレスに現実と妄想の間で共振しており、アーサーに憐憫の情を抱きながら、どこかでゴッサムシティと現実のシティに違いなどあるのかと思えてくる。アーサーに抱いたその情とは自己憐憫と言えるものかもしれない。ジョーカーの狂気(狂喜)のダンス、切なく、儚く、そして美しい。
ホアキンの演技力全開
評判のよい話題作ですが、期待通りの傑作でした。
時代設定は80年代のようですが、現在の格差社会批判にも通じる内容となっています。
非常に重い話なのですが、アーサーがジョーカーに変わっていく過程を丁寧に描くことで、ジョーカーへの親近感も湧いてこないこともない。
ですが、諸手を挙げてジョーカー万歳という気持ちにもなれず、ややモヤモヤした印象を抱いたのですが、鑑賞後しばらく経ってからも、ホアキンのあの顔が度々思い出されるこの頃。
チェロの音楽もよかったですね。
ジョーカー誕生物語
まぁまぁよかった~かな。。バットマンのジョーカーなら、もっと彼を狂わす出来事が欲しかったな。
バットマンに出てくるジョーカーの誕生についてはいろんな説があるみたいだけれど、今作オリジナルストーリーという事と、予告編を観て面白そうだと興味深々だったのですが、あれでは笑えないし、そうだったのか~とも思わない。笑ってしまう病気の人や精神病の人達をよく知っているので。。病気ではなく、彼がジョーカーになってしまうもっと衝撃的なハプニングが欲しかった。ちょっと重たい。ジョーカー誕生の内容には少し不満だけれど、それ以外の映画の構成やテンポ、音楽、演技につては素晴らしいと思いました。特にジョーカー演じた俳優さんの完璧なビジュアルは楽しめました。渋谷で観たのでハロウィンの日じゃなくてよかった。
もしも、
もしも、ジョーカーという世に名前が知れた犯罪者が実在していて、彼の半生を綴った物語があったのなら、どんな風だろう…っていう視点で鑑賞。
鑑賞して凄く、物凄く満足しました!!!
キレキレの頭脳を発揮する場面が無かったのが少し残念で、星1つマイナス。
だけど、私が映画を観るときに優先しているのは、
音楽。
映像。
世界観。
コレ全て完璧にツボにハマりました。
短調なんだけど、ズーンとくる音に映像の雰囲気から不気味な感覚に引き込まれます。
ワンシーン、ワンシーンがポスターにできるくらい、映像がとってもオシャレ!!!
もう一度、鑑賞予定。
パンフレット星⭐️3
作品が良すぎただけに、も少しメイキングに触れる内容が欲しかったので…
2度目の鑑賞を終えて、
ラストのジョーカーの映像、やっぱりカッコ良かったーーー!
それまでの冴えないおじさんからの変身プリよっっっ!!!
素晴らしくシュールな作品!!!
悲しき宿命
1989年のジャック・ニコルソン、2008年の「ダークナイト」でのヒース・レジャー。個性派俳優がキャスティングされてきた、バットマンの最強の敵となるジョーカーがフューチャーされた話題作だ。トランプのジョーカーのピエロビジュアルを参考にして創造され、コミックのスタートともに登場した狂気の犯罪大魔王だ。
たかだか200年ほどの歴史しかないアメリカという若い国では、風土的・歴史的な「恐怖」の対象は、平安時代の「妖」のように1200年かけて遺伝子に刻み込まれてきたような原初的・幽玄的な存在を持たない。そういう点で、しょせんDCコミックの敵役にすぎないサイコパスキャラクターを恐怖の対象とするしかないのだろう。アメリカ映画における様々な恐怖対象は、科学的・合理的な説明を背景に語られる(説明される)サイコキラーが多く、サイコパスであるが故に理不尽な理由で電動のこぎりを振り回したり、ロッジの客を殺戮したりしていくのだ。せいぜい人形や動物やタイヤが人を襲うというデーモン系な説明をバックグラウンドに呪いや復讐を(キリスト教的な意味を内包しつつ)投影していくか、あとはエイリアンだけだ。アメリカでは「鬼太郎」のようなキャラクターの発想は生まれようがないと言えるだろう。
ともあれ「ジョーカー」である。企画の発想としては「ジョーカー・ビギニング」であるし、この希代のトリックスターであるジョーカーが、どう誕生してきたのかを描くのが主眼である。そこへホアキン・フェニックスという一種の狂気を秘めた性格俳優をキャスティングしたことが本作のすべてだろう。鬼気迫るホアキンの演技に息苦しささえ覚えるドラマは、まさにジョーカーが世の中から排除され、疎まれ、ネグレクトされることで至高の犯罪者へとエヴォリューションしていく姿を描いていく。世界を憎悪しなければならないように追い詰められていくホアキン=ジョーカーが苦悩する舞台はバットマンのゴッサム・シティ。後にバットマンとなるブルース・ウェインはまだ幼い少年にすぎない時代だ。ジョーカーの誕生そのものが、実はバットマンの誕生の理由でもあるという暗喩も含め、裏側から見た(合わせ鏡的)な帰納法で語られたバットマン映画なのだ。
ホアキンによるとラストシーンは7パターン撮影したという。本作のラストシーンにどんな解釈ができるか、おそらく映画評の世界では議論が高まりそうだ。僕は、これはこれでいいと思う。そこには見えないスーパーで「continue」と書かれているに違いないから。映画的にではなく、主人公ジョーカーの悲しき宿命において。
切ない映画
主演のホアキン・フェニックスが、すごく良かったんだけど、役柄的にあんなに動きがスムーズで良いのか?が気になってしまった。まあピエロだから体力あるのか⁈残酷なシーンもあるけれど、優しくしてくれた人に対しては、逃してあげたり…と、攻撃的なことはしない。JOKER、観て後悔は全くなかったです。
アメコミ的にはコレジャナイ!でも映画としてはすごくいい!
多くのアメコミファンの方が、ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー等の歴代ジョーカーを思い浮かべながら、この映画のチケットを買ったことでしょう。
自分もその一人です。
むしろ自分は、近年、傑作と言われたコミック「キリングジョーク」に近いのかな?と楽しみにしていました。
ネタバレにならないように、気をつけますが、コミック的なジョーカーの傑作はすでに、あるわけです。それを追い求める必要はないとあらためて認識しました。
この作品は、一つの社会派クライムストリーのよくまとまっていると感じました。
コレジャナイ、けど、観て良かったです!
ぐちゃぐちゃ考えるのでいい
コミックファン、映画ファンは「楽しめる」
そうでなくてもとにかく「考えさせられる」映画なのではないでしょうか。
映画、映像作品としての様々な采配がものすごいです。演技、映像、編集、音楽、ファッションなど、詳しくなくてもわかる程度にはクオリティの高い映画です。
ドルビーアトモスで観たりするとすごくいいんじゃないでしょうか……!観たい!
ストーリーはかなり主観的ですが、個人的には感情移入が出来なくても楽しめるように作られていると感じました。
こんなに主観的なストーリーの作品で、主人公に共感できなくてもいい、と感じられることはとても珍しいことのような気がします。
観終わったあと、様々な感想が自分の中に渦巻きますが、パンフレットなどを読む限りそれを狙って作られている映画だと思います。
「政治的であることは意図していないが、挑発的であることは意図した」と監督が言っている通り、社会に対して考えるべき課題を多く投げかけていると思います。
考えるべき多くの課題で頭の中がぐちゃぐちゃになりますが、ぐちゃぐちゃになりながら考えていくことでしか世の中良くならないよ、というメッセージに私は受け取りました。
分断したアメリカからのSOS
かなり期待して観に行ったのだが、個人的にはあまり刺さらず・・・
その理由ははっきりしており、「この映画のメッセージがあまりに直接的すぎる」からだ。
言っている内容はごもっともだと思うのだが、延々とお説教をされている気分に・・・
もう少し巧みに織り込んでもらったほうが個人的には心が動く。
特に最後の方のシーンでは、「ダークナイト」が巧みに伝えていたメッセージをこの映画ではジョーカーが全部そっくりそのまま喋ってしまう。
ただ、おそらく、今のアメリカはこれぐらい直接的なメッセージを発しないといけない段階まで来てしまっているのではないかと思う。
「わかる人がわかってくれればいい」なんていう段階はとうに過ぎ、「観に来た人が誰でもわかるレベルの警告を発しないといけない」という段階に入ってしまったのではないか。
そう考えるとこの映画はアメリカの悲痛なSOSともとれる。
この映画で良かったと思ったのはやはりホアキン・フェニックスの素晴らしい演技だ。
また、妄想が現実を侵食していく部分の演出も気が利いていたのも良かった。
この映画は結局のところ、あくまで「ヴィラン誕生を描いたアメコミ映画」として観るのが一番良いと思う。ひとときの娯楽としてみれば充分楽しい。
ジョーカーと自身に恐怖
初投稿。男子高校生です。
友人と見てきました。
結論からして一言。「うん、凄い」、これに尽きます。
主演のホアキン・フェニックスが序盤に上司から怒られていた時の顔は笑っているけど目だけ怒りが見えている、この演技からこの映画に取り込まれていきました。予告編では、アーサー・フレックのことを優しい男性としていたけれど、個人的にはジョーカーとなる以前の彼は自分が社会から抑圧されてきた中で求められた「優しい」という側面しか表に表現出来ない狂気を帯びた男、ジョーカーとなってからはそれを全て暴力的なまでに解放する男という印象を見終えてから覚えました。中盤までの徹底した理不尽、運命の生々しいまでの残酷さがアーサーを歪めて観客も鬱になってきて、終盤の暴力と狂気にまみれた、普通なら地獄絵図でしかないゴッサムシティで大量の群衆に称えられるジョーカーにカタルシスを覚える自分に鳥肌が立ちました。
これはもう映画を超えたものとしか思えない、人生観を変えるほどの1本になりました。
金獅子賞も納得の大傑作ではあるが…ジョーカーとしてはどうか?
アメコミ映画というより、社会派映画の側面が非常に強い作品です。
昨今の社会問題を絡めた重厚なテーマ、ホアキン・フェニックスの圧巻の演技…
褒めるところは幾らでもありますので、詳しくは他の人のレビューをご覧ください。
問題は、『この人がジョーカーでいいの?』…という所です。
私もそんなにアメコミに詳しいほうでは無く、正直あまり思い入れも無いんですが…
そんな私でも、ジョーカーといえばヴィランの中のヴィラン。バットマンの最大のライバルで、究極の悪である!…ということは、知っています。
その視点から見たとき、本作のジョーカーは『小物』臭がキツイといいますか…
演技が凄いので、圧倒されてしまいますが、よくよく考えてみると
「えっ、そんなありがちな理由でジョーカーになったの?」…とか、
要領が悪く、愚かな社会的弱者の側面が強調されすぎているので、
「この人では、バットマンと渡り合えないだろ…」と思ってしまったのが、正直な所です。
まあ色々調べると、この監督は元々『ジョーカー』の映画を撮るつもりだった訳では無く、
社会派の映画を撮ろうとしていたら、『ジョーカー』の企画が来たのでそれに乗っかったらしいですが…幸か不幸か、大傑作になってしまっただけに、今後の展開が心配です。
『ジョーカー』のキャラクターが歪められることにならなければ良いのですが…。
まあラストシーンを見ると、「本当にこの人はジョーカーだったのか?」「この話は、全て精神病棟に入院している男の妄想だったのではないか?」…とも取れる描写がしてあるので
一応配慮はしてありますが。
そのあたりの懸念があるので、少し減点しときました。
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