「お見事」ジョーカー アキよりさんの映画レビュー(感想・評価)
お見事
今年10月にジョーカー フォリ・ア・ドゥが上映するにあたり再度鑑賞。
ストーリーは省きます。
ジョーカー事アーサー・フレックが見事に悪役ジョーカーに至るまでのストーリーが見事に描かれている。
ゴッサムシティと腐った世界で、病を抱えた母を支えアーサーも身体に障害を抱え急に笑う精神的な障害を持ちながらもコメディアンを目指している。
序盤は決してアーサーは社会からはみ出さず、普通に生きようと真っ当な人間に映る。
しかしながら世間は冷たくアーサーを見事にピエロから悪魔に変化して行く様子はホアキン・フェニクスが演じる事で引き込まれる。
アーサーはもうすでに壊れている存在。日記の内容やネタも自分の自虐ネタばかり考えている。
人生に疲れた笑い・諦めの笑い・狂気の笑いと私達が想像している笑いとは全く違う世界観で生きている。そうアーサーは常に笑われて生きてきている。
トーマス・ウェインも実の父親だと思っていたが母親の妄想で実は違うと。
もうアーサーの一つの希望が消え、唯一の味方であった母の存在も消えてもうアーサーには何も無くなってしまい無敵の人間になる。
終盤に唯一の味方に映る小人症の男性を助けます。決してジョーカーは無差別ではなく自分を見下した人間を殺しているダークヒーローの存在である様になってしまった。
TVショーの場面での会話では、決して彼は民衆を煽っているのではなく勝手に暴動が起きている。政治なんかには一切興味がないと。社会に対して不満に感じていた民衆が勝手にジョーカーをヒーローにし暴れているだけ。
そうジョーカーは民衆が勝手に作り上げた存在だと。
階段のシーンでのジョーカーは最高にカッコ良く完全に生まれ変わった。
見事にダークヒーローとなるジョーカーが描かれ、決して共感してはダメな作品を素晴らしいと感じさせられる作品になった。