「悪の誕生を弱者視点で描いていてヤバい映画」ジョーカー キムラさんの映画レビュー(感想・評価)
悪の誕生を弱者視点で描いていてヤバい映画
悪に染まるにはそれ相応の環境があるのでしょう。
この映画はそれを美化するでも無くとても濃く(ホアキン氏の演技力によるところが大きい)重たく描いている。
市長候補やデニーロが悪人か善人なのかはあくまでジョーカーの視点に終始している。
そして彼の人生は彼曰く喜劇であり、死を喜劇とするか悲劇とするかは「主観」と説いている。
劇中の社会の弱者は彼をヒーローとして崇拝して物語は終わっていく。
個人的にこの映画が社会に与える影響が少なからずあるのではないかと思い、この映画を簡潔に表現するなら「ヤバい映画」となった。
(ジョーカーには力も財力も無い。この映画の彼に力があるとするなら「銃」だけなところもアメリカという国を思うと恐ろしい)
ただ、映像美、胸糞が悪くなる程の脚本、本当に異常者なのではと思う程のホアキン氏の演技力等を総合的に判断すると近年ではなかなか無い傑作だと思う。
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