「だってトリックスターのジョーカーだもん」ジョーカー kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)
だってトリックスターのジョーカーだもん
これこそ自分が長年”夢に見ていた映画”。
もし自分に漫画や映画を作る才能があればこんな物語を書きたいと妄想してのがついに現実になって目の前に現れた気持ちでした。
イキってるヤツをぶっ殺して、世界が同調していく。
ってのは、この映画の超表面的な部分かもしれない。
でも僕はそこ生理的に反応した。めっちゃゾクゾクした~。
ギリギリで辛くなるくらいの緊張感がずっと保たれてるのが一周まわって気持ちいい。
ずっと何かが起こりそう。でも意外と起こらない。
アーサーへの同情やジョーカーの誕生……よりヴィランが蔓延るゴッサムシティが出来上がる前夜というのにゾクゾクしました。
ここから何十年も続くバットマン vs ヴィラン(ジョーカー)の戦いになっていくのだな、と。
車のシーンはうおおお!!ってなモンですよ!
”ジョーカー”じゃなくてもいいじゃんって意見もあるけど個人的には”ジョーカー”だからこそ楽しめました。
前述の”ヴィランでカオス化していくゴッサムシティ”っていう”バットマンの物語”を背後/未来に感じたから。
ダークナイトってよりバットマンシリーズかな?
オチもジョーカーならでは。
”だってトリックスターのジョーカーだもん”の一言で納得させられる。
そう思うと、ラストの走ってるカットは見事だと思うのです。
あの3分ほどにすべてが詰まってるのかも。
見終わってからいろんな人の考察/感想を読んで考えを巡らすとまた楽しい。
どこまでが現実なのだろうか?
主観/語り手をキーに現実と空想がわからなくなる映画としては『アメリカン・アニマルズ』も面白かったなぁ。
例の階段ダンスシーンで使われる音楽がマリリン・マンソンみたいだったのがなんか嬉しかったです。
やっぱアメリカではそういう感覚なんだ、と。