「喜劇の上で生まれたジョーカー」ジョーカー イゲタさんの映画レビュー(感想・評価)
喜劇の上で生まれたジョーカー
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アメコミ原作の映画とは思えないほどの作り込まれた作品だった。
現実と幻想との境界線が消えていって、どこまでが現実だったのかがわからなくなる。
特に物語のラストシーンを見て、今まで見ていたものを全てを疑い始めてしまった。
また、今回のホアキンが演じるジョーカーは今まで他の役者が演じていたジョーカーと違い、悪のカリスマ性は無い。偶然と環境によって、アーサーの意思とは関係無くジョーカーという存在が、中身の無い偶像として貧困の人々から崇拝される。
アーサーは誰かに自分の存在を認めてもらいたい願っているのに、それとは裏腹に次第に孤独になっていき、最後には混沌の権化であるジョーカーとなってもアーサー自身は誰からも見てもらえない。まさにアーサーは道化そのものであり、アーサーが辿った人生は喜劇であると言える。
これ程難しい役を見事演じきったホアキンは最高の役者と思う。
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