劇場公開日 2019年10月4日

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「悲劇だ🃏」ジョーカー takuyanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0悲劇だ🃏

2019年10月14日
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人生は喜劇だ。

「世界の三大喜劇王」のひとり、チャーリー・チャップリンの名言。孤児院で育った不遇のときも、決してチャーリーは未来への希望を捨てなかった。そしてついに喜劇王になった。

しかし、アーサー、のちのバットマンの宿敵、ジョーカー🃏の不遇は壮絶だった。

コメディアンを目指すも、チャップリンのように才能もなく、精神障害に悩まされていた。そんな中でも前を向いて歩こうとするアーサー。しかし社会はそれを許さなかった。ある出来事をきっかけに奈落に落ちていく。

奈落の底でコメディアンとして人から注目されたいというアーサーの希望と、ゴッサムシティーの闇がアーサーの希望を変質させてしまう。そしてついにジョーカーが誕生する。

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アーサーは言う、人生は喜劇だと。

しかし私は思う、これは悲劇だと。

それほどに感情移入させてしまうストーリー、役作り、音楽だった。

アーサーの精神世界の描き方が秀一。まるで自分がそのなかにいるような感覚。アーサーの困惑、失意、怒りを感じた。

役作りもすごくて、特にあの病的な、でも力強さというか禍々しさも感じる体は仄かに黒いオーラを放っているようだった。精神障害がある方の演技も、病的で脆くて衝動的な感じ。職業柄そういう人に会うこともあって、違和感なかった。

そして音楽。徐々にきしんでいき、ついに堕ちたアーサーの心を表現しているようだった。

最後のシーンでまるで喜劇のような場面がある。でも全く面白味を感じない。それほどまでに彼の闇を感じたのだと実感した瞬間だった。

いやー、ええ映画を見たわ。

takuyan