「狂気とそれを捉える視点」ジョーカー Rewind Thatさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気とそれを捉える視点
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最後に語った主観の話でオチをつけるのが筋だと思うので、そこを主題と捉えました。
観客(客観)から見れば当然適切な支援を受けられずに凶行に走った哀れな精神病患者です。狂った本人(主観)から見れば、自分が狂うほど狂った社会の現状と適合する正常な人のように感じるでしょう。
利益や善悪で行動するのではなく、彼のユーモアで動くことも重要な要素だと感じます。思えば、序盤から自分の中で葛藤しているかの様な発言をしてきましたが、行動そのものは最初からイキイキと狂気のユーモアに溢れていました。
突然笑いだすのも障害のせいではなく彼自身が本当に面白く思っているからだし、結局あのメイクもクラウンとして人々に笑いを与えたいという欲求をそのまま表しているのだと思います。
最後のコミカルな殺人シーンが主観の象徴でしょうか。本人にとってはただ、面白いから楽しいからというだけ。ただのジョークだという内容だったと思います。
誰かのレビューでダークナイトのジョーカーは今回のジョーカーのフォロワーで、別人ではないかという説を読みました。その説に私も乗らせて頂こうと思います。(そうでないと流石に色々な辻褄が合い辛いですね)
演技については皆さんが語られている様に本当に素晴らしい演技でした。
ただ、演出についてはやたらと挿入されるダンスシーンがテンポを悪くしていると感じました。当然アメコミ作品らしからぬそういった点が芸術的な評価を受けているのでしょうが、それこそダークナイトの様な作品を期待していったのでそこはちょっと想定と違いました。
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