「DCカリスマヴィラン単独作品」ジョーカー 映画鑑賞1000作さんの映画レビュー(感想・評価)
DCカリスマヴィラン単独作品
元々のアメコミ上でも、さらに今までの映画作品においても、出生から狂気に至るまでが不明確だった(その不気味さが良かったが)ジョーカー故に、オリジナル解釈での今回の単独作品は凄く楽しみであった。観た結論で言うと、映画としてもDCファンとしてもほぼ納得の出来であった。
ただ、ファンタスティック映画賞ならまだしも、映画の質という点でヴェネチアの賞獲りはやり過ぎ。ましてアカデミー作品賞はあり得ない。万が一獲ったなら、昨今のマーベル作品のような盛り上がりをと、DCが裏で動いたとしか思えないw
ただ、ホアキンの主演男優賞やデニーロの助演男優賞はもしかしたら、である。それほどまでに素晴らしかった。ホアキンの絶望と狂気に満ちた凄み、あの病的な笑い声(本当に病気設定だったが)はいつまでも頭から離れない。デニーロの抑えながらも瞬時に表情を変える様は、観ていてハラハラした。
ストーリー展開は、ある程度想像してた感じを淡々と進みながらも、小出しのビックリと見慣れた程度の殺害シーンで、特に大きな波は無いが、随所に出るあの笑い声とミュージック&ダンスで、映画というよりアメコミを読んでる感じだった。悪くは無い。
宿敵バッツの父親が序盤から出てきて中盤での絡み。まさかここでジョーカーとの驚愕の間接的関わりがあったとは。しかもバッツ幼少時との運命的な出会いも。さらに、クライマックスでの超有名なバッツ家の悲劇も、ジョーカーの狂行がキッカケとは。いやはや、ここまでバッツ関係を詰め込むのかと、思わずニンマリしてしまった。
評価3.5でも良いかと思うが、老若男女問わず魅せるマーベル系とは違って、相変わらず観る者を選び(時には無知識者を置いてけぼり)少し屈折した人間像ドラマが多いDC作品を好きな私、さらに今回、バッツ絡みを入れ込んだ所に、(まあこの 直接の続編は無いだろうが)今後のバッツとの因縁争いを妄想、期待した上で、4点としときます。