「これは社会的弱者からの反撃だ」ジョーカー Tさんの映画レビュー(感想・評価)
これは社会的弱者からの反撃だ
ホアキン演じるジョーカーの生い立ちや、持病などの背景がしっかりと描かれていた。
結局のところ、ジョーカーというのは、混沌とした社会が作り出した精神障害者だったのだが。
その障害者に、さらに不幸が重なっていき、暴走していく。
ジョーカーの暴走をキッカケに、社会への不満を露わにし、暴徒化していく市民達。
彼らには、大きく貧富の差が開いてしまっている社会へ対して、溜まりきった不満を爆発させるキッカケが欲しかったのだ。
ありきたりの設定ではあるが、ホアキンの鬼気迫る演技が映えており、非常に説得力が出ている。
バットマンのジョーカーという事に傾斜してみると、辻褄の合わない部分などが出てしまうので、別個の作品として捉える事で楽しめた。
アメリカ劇場公開時には、映画に影響を受けて犯罪が広がらないように、警察が動員されたそう。
確かに、暴徒化している市民を賞賛するような内容なので、テロや、暴動を後押ししているようにも感じる。
アメリカに比べれば、日本の暴動騒ぎなど陳腐なものだが、もはや他人事では無い。
京都アニメーション襲撃事件のように、錯乱した精神病患者が大事件を既に起こしているし、消費税増税などの理不尽な施策などで、貧富の差はさらに開いていく。
日本も将来的にどこかでこの映画のような暴動あるんじゃないかと思いながら客観的に考えさせられる映画であった。
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