任侠学園 : 特集
寅さん×釣りバカ×アウトレイジ!? “意外性だらけのコメディ”が誕生!
まさかここまで“笑わされる”とは! 不覚…完全に舐めてました
全員善人のヤクザに、学園再建を託したら… ギャップの連続がズルすぎる!
西島秀俊と西田敏行がダブル主演を務めた映画「任侠学園」(9月27日公開)は、社会奉仕をモットーとする“全員、善人“のヤクザたちが奮闘する姿を描いている。設定を聞くとほんわかとした人情喜劇に思えるが、その真の魅力は“意外性だらけのコメディ”である。
「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」の雰囲気を醸し出しつつ、切れ味鋭いギャグがミルフィーユのように重なっていく。キャスト陣のギャップあふれるシーンもズルい。まさか、ここまで笑わされるとは……。驚嘆すること、間違いなし!
【意外性7連発】こんなコメディ、見たことない!
西田敏行&西島秀俊の〇〇〇な一面、予想の斜め上をいく“独特のギャグ”
メガホンをとったのは、堤幸彦の「TRICK」シリーズを支え、近年は「99.9 刑事専門弁護士」など人気作を手がけた木村ひさし監督だ。そのシュールなユーモアは本作でも全開で、ビジュアルの第一印象とは異なる“ハイセンスなコメディ”が展開される。
こんなに笑える映画だとは、正直まったく思ってなかったんだけど……。掘り出し物を見つけた気分で幸せになれる。
≪意外性①≫ こんな“ギャグ”見たことない! 笑いのセンスが独特すぎてクセになる本作はベタな予定調和とは無縁のコメディ映画である。トランシーバーでの「どうぞ!」合戦や、「俺があげたシャツ、着てねえな?」の“天丼”など、別にオチがあるわけではないボケの応酬がとにかく楽しい。文字では伝えづらいのが悔しいくらいだ。
40~50代の観客は、昭和のにおい全開の懐かしいオマージュ(詳しくは後述)に大喜びだろう。一方で秀逸なコントのような展開や不条理なギャグのつるべ打ちは、YouTube世代の若年層もツボにハマるに違いない。事あるごとに放り込まれる独特のギャグを、身構えずに味わってもらいたい。
≪意外性②≫ こんな“物語”見たことない! 人情ヤクザが学校を再建って…そんなのあり?
この面々、にこやかだが実はヤクザ。そしてヤクザはヤクザでも、何よりもルールを重んじ、世のため地域のためをひたすら追及している。そんな彼らが、経営破綻寸前の高校再建に取り組む。問題児だらけの生徒、事なかれ主義の教師、ヤクザより怖い保護者、群がるマスコミ。前途が多難すぎる。
≪意外性③≫ こんな“西島秀俊”見たことない! ファン必見の○○○も、披露してます
日本映画界を牽引する俳優・西島は、「阿岐本組」のナンバー2・日村誠司役。組長に振り回されてばかりの苦労人だが、その忠誠心はチョモランマよりも高い。
アクションも披露しているが、要所で見せる“突破口を見つけたときの笑顔”が破壊的にチャーミング。さらに○○○○が入ったセクシーな背中など、ファン必見の意外なシーンも満載だ。ちなみにその写真は、なんだかんだあって掲載できません。こちらからは以上です。
≪意外性④≫ こんな“西田敏行”見たことない! 「釣りバカ日誌」と「アウトレイジ」の融合
日本を代表する喜劇俳優・西田は、義理と人情に厚すぎる「阿岐本組」の組長・阿岐本雄蔵役に。普段はすっとぼけていて、「釣りバカ日誌」のハマちゃんを彷彿させるから親しみやすい。
しかし、いざタフな交渉となるや、眼光鋭い「アウトレイジ」の顔がのぞく。「違法もヤッホーもねえ!」と一喝する場面がある。言っていることはなんだか愉快だが、目は笑っていないため、めちゃめちゃ怖い。そんなギャップがたまらなく魅力的だ。
≪意外性⑤≫ こんな“共演陣”見たことない! 実力派たちが本気で“すっとぼけてる”
脇を固めるキャスト陣も、そろいもそろって味わい深い。彼らが奏でる芝居とギャグのアンサンブルが、作品に不思議なテンポを付与し、経験したことのない“笑い”を演出していく。
池田鉄洋が阿岐本組の組員・三橋健一、生瀬勝久が保護者への忖度爆裂な校長に扮しており、「TRICK」シリーズのファンには嬉しいところ。さらに中尾彬、光石研、白竜ら「アウトレイジ同窓会かなにか?」とツッコミたくなる共演や、桜井日奈子、葵わかな、葉山奨之ら若手人気俳優たちのハジけっぷりも注目だ。
≪意外性⑥≫ こんな“感動”見たことない! ラストに“泣かせ”が待ってます
……で、ラストには感動が待ち受けている。そこが本作が一筋縄ではいかない“意外な作品”である由縁だ。ネタバレになるため詳述できないが、笑って泣いて、観客は幸せな気分で劇場を後にできるだろう。
≪意外性⑦≫ こんな“こだわり”見たことない! 木村ひさし監督の変態的演出
木村監督、手腕が光りまくっている。例えば校長室のシーン。歴代校長の肖像に目を凝らすと、頭髪がハゲ、ふさふさ、ハゲ……と交互に並んでいる。実はこれ、昭和にあったウイスキーのラベルのオマージュだ。
こうした小ネタは無数にあり、こだわりようは良い意味で“変態的”と言うほかない。とぼけた作風で煙幕を張っているが、よく考えたら木村監督、天才なのかもしれない……。
【細かすぎて、ていうか超細かすぎて伝わらない小ネタ集】
気づいた? 物語に隠された昭和オマージュ ~プロレスネタ多くない?~
平成に生まれた若年層には「?」だが、40~50代の昭和世代にはバカウケ必至のオマージュが、わんさかと盛り込まれた本作。そして、あまりにも慎ましい(全然強調されない)ため、もはや難易度の高い間違い探しみたいになっている。一部紹介しておこう。
・「西遊記」 → 西田敏行、伊藤淳史、高木ブーと、猪八戒を演じた3世代の俳優が出演 ・「太陽にほえろ」 → アクションシーンで“ジーパン刑事の殉職”を再現 ・安部譲二 → 冒頭の寺の名前が「亜部浄寺」 ・ジャイアント馬場 → 床屋の名前が「barberジャイアント」 ・アブドーラ・ザ・ブッチャー → 商店街の看板に「インド喫茶・仏茶 阿武堂羅」 ・長州力 → 商店街の看板に「長州カフェかませ犬」 ・「もしもピアノが弾けたなら」 → 事務所スケジュールボードに「組長講演会~もしもカタギになれたなら~」こうして見ると、「プロレスネタ、多くない?」という思いがわいてこなくもない。ほか「今やろうと思ったんだけどな~!」というセリフ(ライオンの洗剤ルックのCM)のパロディや、小児科の書額が「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」(丸大ハムのCM)であるなど、“細かすぎて伝わらないネタ”が隅々に混ぜ込まれているのだ。
独自に入手した資料によると、「昭和オマージュの人物・作品50連発!」と書かれている。すごい、そんなにあるの? 仕掛けた張本人・木村監督ですら、忘れていそうな小ネタの数々。全部見つけられる観客は、果たして現れるのだろうか。