劇場公開日 2019年7月26日

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「いやあな映画!」よこがお CBさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いやあな映画!

2019年8月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

久しぶりのジャックアンドベティ。
夜の会で、いやあな映画を観た。強烈に嫌な映画だった。
誰にでも、明日起きるかもしれない不幸。ごく近い親戚による、未成年者誘拐。それも自分が働いている場所での。
明らかに自分に責任はないが、しかしどうしようもなく降りかかってくる不幸。
非常によかった関係が、ある日を境に逆転する恐怖。そしてそれよりもさらに怖いのは、事件が起きてから、そのある日が来るまでの間の、見かけ上平和が続いている期間。
なんとなく想像できる破滅、そこから目を背けて暮らす日々の重苦しさに押し潰されるのは、演じている彼ら以上に、観ている我々だった。

その不幸の引き金は、ひとつの純愛。
八方塞がりの絶望感の果てで、ただひとつのやれることとして復讐を試み、ようやく果たしたつもりが、空振りに終わってしまうという、虚無感の中での虚しさの上塗りの、根本的な原因となったのも、その純愛。

と、とにかく何から何までいやあな映画です。これを最後まで見せる監督や俳優たちの力量は、心から凄いと思う。それも「音楽」や「効果音」という武器を使うことなく、自然の音と生活の音だけで。

凄い映画だから、観た方がいいと勧めたいのだが、たっぷりエネルギーを充填した状態で観ることが必要です。心がとにかく疲れるよ。

CB
近大さんのコメント
2020年2月9日

あくまで自分の見解ですが、そう感じました。

近大