よこがおのレビュー・感想・評価
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自分の横顔を自分で見ることはできるか
脚本が抜群によくて、役者の芝居も抜群によい。人間の奥深さが見事に描かれていた。人は多面的な存在であって、1つ事象で人物の全てはわからない、わからないから起きてしまう問題というものがあり、本作の物語はまさにそれだ。「よこがお」とは右の横顔もあれば左の横顔もある、全てを見通すことができない、誰にでもある多面性を表している。
主人公は、理不尽な噂と報道によって、イメージを植え付けられる。報道のカメラが写すものもまた、人物の一面でしかない。主人公に憧れを抱く女性もまら、彼女の一面しか見ていない、だから別の側面を見てしまって絶望する。この映画を観終えた後、自分自身の多面的な側面を自分でどれだけ知っているだろうかと自問してしまう。自分は自分自身の「よこがお」すら知らないかもしれない。そんな気分にさせられる作品だ。深田晃司監督は素晴らしい、これからもますます活躍してほしい。
アイデンティティーを「多面」でとらえる映画的工夫
自意識と外部との関係を考えるとき、建て前と本音とか、外面と内面とか、心と身体を「多層」でとらえる表現が多いのはおそらく、自我を(外から見る客観ではなく)中心から認識する主観で把握しやすいからではないか。
しかし映像では、人物を多層的にとらえることは困難だ。そこで深田晃司監督は、筒井真理子が演じる市子の自我のゆらぎを、過去と現在という2つの時間軸と、それぞれに対応する髪の形と色によって、「多面」で描こうと企てた。思えば現代はコミュニケーションの技術が発達し、情報を大量消費するようになったことで、かえって他者を短絡的に一面でとらえて評価したり非難したり傾向が強まっているのではないか(マスコミと世間の市子への攻撃は典型的)。
市川実日子が演じた基子の内面の動きも、物語を進める補助エンジンとして有効に機能していた。市子と基子、2人の女のミステリアスな心の揺らぎに幻惑され、魅了された。
深田監督の研ぎ澄まされた演出に、何度もなんども息を呑んだ
この映画をどう形容していいものか、久々に言葉を失った。まずもって巧みに時制が行き来する構成ゆえ、「あらすじ」さえも時間軸通りに語ればいいとは言いがたい。主人公のエピソードが二つあり、交互に語られていく感じだ。一つは現在の話、そしてもう一つは何年か前の話。もちろん、両者は切っても切れない関係性でつながっている。
時折、瞬時に頭の中を切り替えられない自分は「あれ?今どっちの話だっけ?」と戸惑うこともあった。が、この戸惑いは初めから周到に意図されたものだったのかも。なぜなら、主人公は過去でも現在でも、終始心ここに在らずの状態で足元を浮遊させているからだ。
普通ならこの戸惑いは分かりにくさへと転じていくものだが、深田監督の演出は観客を心地よくミステリアスな森の中で彷徨わせる。そしてここから離れがたい気持ちにさせる。この、研ぎ澄まされた采配に何度も何度も息を呑んだ。観ておいて損はない秀作である。
復讐劇は期待しないほうがいい
監督が筒井真理子に惚れ込んでいるのはよくわかった。彼女を見たくて撮りたくてたまらないのだ。鑑賞者がそれに付き合えるかどうか、という映画。
池松壮亮、頑張ったな。
時系列がバラバラなので集中してみないといけないが、集中できるほど内容は面白くない。
いきなり過去と現在と夢が切り替わる。筒井真理子の髪の毛の長さや色、または部屋のしつらえで判断するしかない。
海で青い髪の毛のときがたぶん最期なんだろう。
ラスト甥っ子を迎えに行ってからの行動が冒頭に繋がるようだ。
監督は自画自賛してそう。
ある女のささやかな復讐!
う~ん、この映画の感想難しいぞ!なかなか筆が進みません。なぜでしょうか?
序盤~中盤までは、なかなか難しい映画という印象。その理由は、ストーリーの時系列が2つあり同時(交互)に語られるのため、なかなか理解が追い付かず整理がつかないのです。
1つは過去の時系列。主人公の市子が人生をどん底に突き落とされるまでの物語。もう1つは現在の時系列。「ささやかな復讐」を実行している物語になります。途中まで理解が追い付かない理由は、その復讐の理由が分からないからでしょう。そして市子の容姿が全く異なっている違和感の理由も分からないのです。
しかし2つの物語を描き、なかなか視聴者を理解をさせないのは監督の狙いでもあるのでしょう。そこが”よこがお”というタイトルを付けた理由なんでしょうから。
徐々に1つ結びついていく2つの物語と共に市子が変わっていく容姿や行動がこの作品見どころでもあり、180度人生を変えられた女性の生きていく強さや決意を感じる作品でありました。ラストで車のクラクションを鳴らし続ける市子のなにかを踏ん切りをつけた、強い姿が見えたのです。
本作の注目すべき点としては、社会問題にも切り込んだ作品というところもあります。まずマスコミのひどさがかなりダイレクトに描かれています。人権を無視した、その威圧的な態度の取材は観ていてホントに嫌気を覚えます。市子を「無実の加害者」に仕立てたのは完全にマスコミなのですから。
それをさらに受けるように日本社会の問題をも訴えた作品でもあります。被害者の家族を守られ、加害者の家族は一切守られないという現実。加害者の家族は耐え忍ぶしかないのでしょうか?こればかりは、その犯罪の性質にもよると思いますが、非常に難しいテーマだと感じましたね。
娯楽要素は特になく、あっと言わせるような盛り上がる展開もそこまでなく、観る方によっては退屈に思う映画かもしれませんが、なかなか考えさせられる「ささいな復讐」でありました。翻弄される市子を演じる筒井真理子の非常に体当たりな役柄も見どころの一つでしょう。
深田晃司すごい…。 市川実日子ちゃんの、愛がきちんと怖くて狂気なん...
深田晃司すごい…。
市川実日子ちゃんの、愛がきちんと怖くて狂気なんだけど、筒井真理子さんの狂気の部分の描かれていて
いくら真面目で大人しく生きている人でも
ひとつ皮をめくると、狂気の部分は誰にでもあるとゆうのが、物語が進むにつれて色んな人の表面がめくれたりめくれなかったり、ホラーだった。
あと正義感による集団ヒストリーやメディアの恐怖とゆうかそれによるストレスがきちんと体感できるようになっているのでそれも疲れた。
状況によって狂気の状態に追い込まれた人間にも善性はあったり多面的でものすごく人間的な人物たちを1つの映画の中でこんなにも見せることができる深田晃司の手腕がすごい。
理想や綺麗事を寄せ付けない、作風なのに
人間に備わったどんな状況でも生きていける野生のような力強さをみることができる深田作品は毎回心をエグられながらもなんか優しくて強い感じが好き。
配信で鑑賞
薄気味悪い地雷映画だった。
あり得ない話。
この主人公の女性が一番世間体を気にしている。
それでいて、昔の空気から離れられない。
そんな事あり得ない。
まさかそれで、性的マイノリティまでも表現しようとする。
欲張り過ぎるストーリー展開。
つまり、状況設定が物凄く曖昧で極端。
つまり、自ら作った不幸をに翻弄される。
く~るJAPANの定石的で、使い古された手法。
専門の勉強までして、もう一度、勉強した方が良いと思うが。もっとも、才能0に幾ら掛けても0だと思うが。
バカバカしい男目線なお話。
後、30分もあって結末が分かるくらい見るに耐えないお話。
振り返れば、このロケ地が我が母校ある場所。そこを「この辺は危ないのよ」とのたまう。状況判断と分析ができない稚拙過ぎる。
それでリベンジポル●はなかろう。
で、甥っ子はどうなった?
ヘェ~世界に注目されし演出家?とは。
複雑で裏表のある主人公を巧みに演じ分けた筒井真理子。
一言では言い現せない奇妙で巧妙に仕組まれた脚本だった。
(監督と脚本は深田晃司)
《無実の加害者へ転落した女性》
《横顔・・・反対側の顔や姿は見えない・・・裏の顔》
そして、
《ある女のささやかな復讐???》
粗筋
訪問看護師の白川市子(筒井真理子)は家族や患者から信頼される
善良な女性である。
仕事として通っていた大石家の患者の孫にあたる中学生のサキが、
ある日突然行方不明になる。
サキは10日後に帰ってくる。
特に性的な被害はなかった模様だ。
しかしこの事件は市子の人生を180度変えてしまうのだ。
何故ならサキを誘拐したのが市子の妹の息子・辰男だったから・・・。
そしてこの映画でもっとも大事なキーパーソンは、
大石家のサキの姉の基子(市川実日子)です。
基子は市子と親しいことを逆手に取って、
マスコミに次のようなリークする。
1、誘拐・・実は市子が甥の辰男の手引きをしていた・・と電話で仄めかす
2、市子は幼い辰男に性的な悪戯をした過去がある・・・
(この2つは誇張はしてあるが、根も歯もない嘘ではないのです)
マスコミの注目を集めた市子の生活は崩壊する。
☆仕事を失う
☆結婚が破談になる
☆居場所を去らねばならなくなる
《市子の復讐》
本当に、私は市子の逆側のよこがおが信じられない、のです。
市子の復讐に利用される、
第3のキーパーソン。
美容師で、基子の恋人の米田(池松壮亮)の存在。
リサと名乗る市子は米田に客として接近する。
市子のアパートからは米田の部屋が丸見え(!?)
基子が米田の部屋に出入りしているのを、凝視する市子。
そして米田を誘惑して、寝とる・・・のだが、
米田は、
「基子とはとっくに別れた」と告げる。
「好きな人が出来たから・・・」
それが理由だった。
ここで愕然とするのだが、
基子は市子に愛情を強く持っていた・・・
基子の好きな人、それは市子。
(市子の結婚を知らされて、不機嫌になる基子)
そこから基子の歪んだ市子への嫌がらせが始まった。
そして市子の生活を崩壊させた。
それにしても筒井真理子の演じる白川市子は、
謎、でした。
ヘルパーとしての誠実な市子。
結婚する予定だった訪問医師(吹越満)の息子への優しさ。
それらの姿と米田を誘惑する時の洋服とバック、靴。
別人の様にブランド品を身に付けて、お金持ちのセレブ。
有閑マダムとして米田と釣り合う熟年の魅力が溢れる。
(この市子の裏表の演じ分けの凄み)
筒井真理子は近年その存在感が注目されている。
舞台(鴻上尚史の第三舞台)で長年培われた女優。
品の良い奥様から悪女まで幅広い役をこなす。
この映画は最後まで観ていくと、
やっぱりこの女・白川市子・・・って、得体が知れなくて、
一筋縄ではいかない女。
ヘルパーをしている善良さ、
男(そして基子)を狂わせる魔性の女、
その二面性を表現する説得力には脱帽する。
しかし映画は時系列が辻褄が合わないところもあり、
白川市子に同感する事も出来ず消化不良気味。
凄い感動には至らなかった。
しかし心理劇としては優れている。
市子の犬の吠え声、
四つん這いになって、クンクン嗅ぎ回るシーン、
市子の狂気の片鱗を見た。
「よこがお」それはけして見せたくはないもうひとりの自分。
戦争体験者の方の話を思い出す。その人には優しい叔父がいて、とても慕っていたという。しかし戦争で食糧難になった時、配給のトラックに多くの人々が殺到し、取り合いになった。そこで優しかった叔父が鬼のような形相で物資を取り合う姿をみてショックを受けたという。戦争がなければあんな叔父の姿を見ることなんかなかったはずだと。
人は普段見せない「よこがお」を誰しもが持っている。それを一生見せずに済む人も多いのかもしれない。
自らのあずかり知らぬことで順風満帆だった人生が足元から崩れてゆく恐怖、絶望感。自らのあずかり知らぬ原因だからこそ自分ではどうすることもできないし、容易に受け止めることもできない。
事件を起こしたのは甥であり、確かに親族であるものの、その生育には携わってはいない。幼少の頃のたわいもない戯れ一つで人格が形成されるわけでもない。
また、市子に恋い焦がれた基子の嫉妬心からくる市子への仕返しもあずかり知らぬことだ。すべては自身に身に覚えがないことでその築き上げてきた人生が一瞬で奪われてしまう。まさにエアポケットにはまったかのように。
原因の一端を担った基子へのささやかな復讐も結局は徒労に終わる。自分は何をしているのだろうか。市子はあまりにも愚かで不憫な自分自身を笑ったのだろうか。
時がたち、一番の根源である甥の身元引受人になった市子。今は心に平穏を取り戻した様に見える。
そんな時自分の人生を奪った基子が皮肉にも自分がかつてしていた介護士の姿で目の前に現れる。
車のアクセルを思わず踏み込む市子。あの長く響くクラクションは彼女の慟哭のようにも聞こえた。
そのあと何事もなかったかのように車を走らせる市子。サイドミラーに映る彼女の顔はいまも「よこがお」なのだろうか。
職場や利用者からの信頼も厚く、私生活も順風満帆な生活を送っていた市子が、ただ、復讐のために男と寝るという愚かな行為を行う。かつての彼女からはとても想像できない姿だ。
人間には確かに一面だけではない知られざる「よこがお」があるのだろう。長い人生でその一面を見せずに平穏に暮らすものもいれば、市子のように思いがけずその一面をさらけ出す羽目にもなってしまう。
順風満帆なころの市子と全てを失い復讐に狂う市子を交互に見せることで人の持つ多面性を見事に描いた。
あまり現実的でない
根拠もなくまったくの捏造記事を書く三流記者。
その根拠は何なのか説明もない。冤罪に持っていく週刊誌の実例はあるが こんなにひどくはない。少なくとも何らかの根拠があって書かれるものだ。
それを頭から鵜呑みにする被害者の母親もドラマなどによくある偏狭すぎる人間。
あまり現実的でない点が目立つ。
深田監督の映画では 淵に立つ のほうが恐怖感があってよかったと思う。
こういう映画を見るなら 北欧の映画 偽りなき者 のほうが良い。
幾重の解釈が映画の中で煮詰め切れてない印象、ただ怖い…的な
幾重にも解釈できるけど、あんまりハマらず。人間の気持ち悪い成り行きの感情を濃縮還元したような映画。モヤッとするしドロっと痰を吐き捨てるほどの無情さが在った。
あらすじをちゃんと読んでなかったというのもあるが、そもそも前提として、2本の軸で描かれていたのね。過去と現在、浮かび上がる2つの顔。魔性ぶりと堅実ぶりが同居する。遠い放物線が次第に重なり合うとき、ようやく合点がいった。ささやかな復讐をコピーで見ただけにどうなるのかと思ったけど、重く鈍い感情が居座る程度。序盤に引き込まれないとちょっとその違和感や恐怖が匂って来ないように思える。
キャストに関しては何処も豪華でびっくりなのだが、誘拐される子は小川未祐だったのね。すっかり顔の印象が違くて気づかなかった。また、主演の筒井真理子が怖いこと。何を考えているのかもわからず、何を腹の中で考えているかすら見えない。市川実日子との関係性も利用と提供の関係にしか見えなかったから、あの台詞が表立つのも一定の理解を示してしまう。また、掌を返して情報に熱を持って追い続けるメディアの気持ち悪さも上辺だけでアンドロイドのよう。実際あんなもんなのだろうか…。
凄く丁寧かつ多角的に"腐敗"を映し出していたが、ヨーロッパでウケるのも納得である。音楽の使い方も少々わざとらしくて気になったし、まだ映画で完結しきれていない部分があると思った。
筒井真理子の体当たり演技が素晴らしい!
言葉の通り、筒井真理子の体を使った体当たり演技と、そこからのドンデン返し!そしてそこに至った心情と関係の描き込み。なかなか良くできた作品だったとおもう。
昼ドラ好きな人にはピッタリだろうね。
及第点。テーマを探しあぐむ監督。
加害者側苦悩ものは敵が三流マスコミゆえ、そりゃ気の毒だけど無視すりゃいいじゃん、と引く。
妄想妻ホラーなら池松壮亮が同キャラで被る「だれかの木琴」に軍配。
旬の筒井真理子は貴重な打席で痛い凡打。
上手い筈の深田晃司はテーマを探しあぐんでいるやに。及第点。
見逃した
冒頭見逃したので評価を3にしています。
心理的ミステリーのお話
人生が変わった一人の女性の嫉妬と復讐
天外者の舞台挨拶で筒井さんが三浦春馬さんが観に来てくれたと言っていた作品。
冒頭を見ていないのでもう一度観たい
最高に胸糞悪い映画
狐につまられたような映画である
妄想か幻か夢か
いったいどこまで本当でどこからが嘘なのかちょっとよくわからない
映画そのものがフィクションでありドキュメンタリーじゃないから全部が嘘っぱちの絵空事なんだけどね
それにしても普通にできなかったのか
奇を衒う感じだが奇跡的に悪くはない
いわゆる夢オチ的な作品だが何から何まで嫌いというわけでなく好きな作品も多い
そのうちの一つである
だが時系列が順番通りじゃないからちょっと頭が痛くなる
時系列がめちゃくちゃなのは『パルプフィクション』の影響か
動物園で市川実日子になったり池松壮亮になったりするのはあきらかに不自然でなんでそうなるの!?と言いたくなる
犯罪加害者の身内が主人公
そのての映画だと『誰も守ってくれない』を思い出す
あっちのヒロインは加害者の妹だがこっちは一緒に住んでいないおばである
三流週刊誌のデマとはいえマスコミがあそこまで追いつめるのは冷静になってみるといくらなんでもリアルじゃない気もする
いきなり犬になる筒井真理子
いきなり喘ぎ声をあげる押し入れの筒井真理子
いきなりクラクションを鳴らし鳴らし続ける筒井真理子
筒井真理子のヌードあり
筒井真理子の熱演光る
60年生まれなのか62年生まれなのかはっきりしてほしい
いずれにせよ熟女である
ありがとう
映画は映画館で上映されることを前提で作っていてテレビで観るためを優先していない
だからこの映画もテレビで観る場合は暗い部屋で観ることを薦める
マスコミのメディアスクラムを観てたら気持ち悪くなった
20年前に集団過熱報道はやめましょうと新聞が先頭に立って自主規制を呼びかけたはずである
にもかかわらず現代劇としてもなおメディアスクラムが取り上げられる背景は体質が全く変わってないからであろう
もう過去のものであるならマスコミや知識人がそういった作品を批判するはずである
自分は東京のマスコミが嫌いでテレビでニュースやワイドショーを観ることはほとんどない
坂上忍や玉川徹が喋っているだけですぐに気分が悪くなりチャンネルを変えてしまうくらいだ
そんな不愉快な思いをしてからの筒井真理子のヌードは一服の清涼剤になった
"淵に立つ"よりは遥かにましだが、、、
"淵に立つ"と監督と主演が同じ。現在と過去が行ったり来たりで現実と虚構が入り乱れる造り。何を考えているのか判らない登場人物(誘拐犯が特にそうだが)が多いのもフランス映画っぽい。"淵に立つ"よりは遥かにまし。マスコミの邪悪さ、下品さがよく描かれている。
筒井真理子の魅力満載❗️
市子は決して加害者ではないのに、加害者のような扱いをされる。ニュースで甥が誘拐犯と知った時にすぐ
伝えていればこんなことにはならなかっただろうに、、、結婚する相手にまで隠してしまったのは良くなかった。黙っていたほうがいいと助言した基子が、市子の結婚を知った事で嫉妬し、暴露してしまう。それによって仕事も結婚も全てを無くしてしまい、基子に復讐をする。一方的な恋心からの嫉妬、裏切り、復讐と女は恐ろしい。
復讐の為に基子の彼氏の働く美容院に客として近づき、偶然を装い待ち伏せ、連絡先を教えてもらう。美容師がひとりのお客様に連絡先を聞かれても普通は教えないでしょー、まるでストーカー。(池松壮亮は、だれかの木琴でも客にストーカーされる美容師だったな)
ストーリーもなかなか面白かったけれど、筒井真理子がこの映画をさらに良くしたと思う。
悪女の様に見えたり、したたかな女にも見えたり、こちらがハッとする程の美女に見えたり。その反対にフツーのおばさんに見える時もあったり、生活に疲れ果てた幸薄な女にも見えたり、、、色々な顔を魅せることが出来る凄い女優さんです。これからもっともっと花開くことでしょう。監督は筒井さんの魅力をよくわかっているんでしょうね。「淵に立つ」も良かったけど今回は更に良かったです。
市川実日子もとても良かった。(最近やっとお姉さんの実和子さんと区別がつく様になった😅)
市子はあの後、どのような人生を送るんだろうか。
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