おいしい家族のレビュー・感想・評価
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家庭内ダイバーシティ
銀座で美容部員をしている女性が、母親の三回忌で実家のある離島に帰省したら、父親が母親の服を着て高校生の娘を持つ男と暮らしており、父さんは母さんになると告げられる話。 スリランカ人の嫁と結婚している弟は父親の格好は勿論再婚をあっさり受け入れるし、父親が校長を勤める高校の教師も生徒もその親たちも、誰もが普通に受けいれている状況に困惑する主人公という展開。 最後まで本人から「母さんになる」の真意を説かれることがなく、周囲から語られることからイメージした内容と実態が自分的には一致せず…そんなことどうでも良いんだ!本題はそこじゃない!と言われたらそうなんだけどね。 とぼけていたり、ハチャメチャだったり、明るくコミカルに力技!?で多様性を説かれまとめられた感じがする。
松本穂香の不思議な魅力に浸った
ふくだももこX松本穂香。 銀座のコスメショップで働く橙花(松本)は、夫と別居中で離婚も間近のよう。母の三回忌のため実家のある離島へ帰り……。 カッコつけることなく、素直に生きる故郷の人々に触れ、人間にとって本当に大切なことを模索する。 女装し男性と再婚するという父親を演じた板尾創路、そして父のパートナーとなる浜野謙太がいかにもという感じの個性を発揮した。 しかし何より松本穂香!彼女の持つ不思議な魅力に溢れている。正にワン・アンド・オンリーの存在だ。
おいしくも大きな愛の作品です。
予告編とか全く観てなくて、前情報も無く、ポスターの画像から、なんとなく面白そうに感じて観賞しましたw
で感想はと言うと、結構当たり♪
こういう思いがけない当たりに出会えたりするからこそ、ミニシアター系の作品はフットワーク軽くして観に行くと良い事があるし、楽しいw
東京の暮らしに少し疲れ、旦那とも別居中の橙花は母親の三回忌に地元の離島に久し振りに帰郷するが、そこには亡き母のワンピースを着た父親とそれを普通に受け入れている家族。
そして父親と結婚すると言う男性と連れ子の娘が現れ、“お父ちゃん、お母ちゃんになるわ”と宣言する。家族も島の住民も皆 普通にそれを普通に受け入れている。橙花は戸惑いを隠せないが、それぞれと触れあっていく内にいろんな事が理解出来ていく…と言うのがなんとなくのあらすじ。
もう、ツッコんだら負けぐらいにツッコミ所は満載ですが、この作品はそのツッコミたくなる様な違和感を包み込む優しさと言うか、雰囲気を楽しむのが正解の作品かなと。
父親の板尾創路さんがのっけからワンピースを着て、ラストには和装の花嫁衣装を着ているのはコントとしか言いようが無いんですが、ゲイと言う訳ではなく、もう大きな愛の持ち主なのかと。
大きな愛がそうさせたんですよねw
そうとしか言い様がないのは、板尾さんが男性を愛する描写や仕草が女らしいと言うのは殆ど無く、振舞いは女性テイストを感じられても、動作はがっつりオジサンで、歩き方や姿勢は少し疲れてはいるが一家の大黒柱なんですよねw
どうしてこうなったとか、何故男性と結婚しようと思ったと言うのは、さほど説明されてなく、だからと言って、LGBT問題の1つなんですが、だからどうしたと言う感じで笑い飛ばせると言うか、大した問題にしないおおらかさ。
島の気候や風土も相まって、沖縄の“なんくるないさぁ”的な雰囲気が心地好いです。
手作りの料理もどれも美味しそうで、食事の途中におはぎを食べるのには、なんか変な感じがしてもしみじみ良い感じ。
手作りのおはぎは愛情の形なんですよねw
三回忌の前に食べてる素麺といろんな天ぷらも美味しそう♪
キャストもなかなか良いです。
橙花役の松本穂香さんは若いのに落ち着いたベテラン感があって、若い頃の松たか子さんに似てるかな?
ダリア役のモトーラ世理奈さんは小松菜奈さんみたいでなかなかカッ飛んだ感じが良いけど、綺麗に見えるのと時折ブサイクに見えるのが極端な時がある不思議な女優さんですw
個人的に気になって、良かったのがハマケンこと在日ファンクの浜野謙太さん。
結婚寸前とは言え、我が家の様に普通に立ち振る舞って遠慮の欠片が見えないけど、裏表の無い感じがとても良いです。
イイヤツなんですよね♪
ちょっと、“ん?”な感じがしたのが三河悠冴さん演じる瀧。皆が普通に受け入れてる板尾さん演じる青治が高校の校長がワンピース姿に唯一“なんかおかしい”と異を唱えたけど、自身が素直になる事をに青治から感銘を受けて、可愛い女の子の格好をするんですが、なんか作中でも違和感を感じるんですよね。
瀧が1つのキーポイントになる筈なんですが、ちょっと板尾さんの達観しきった振る舞いとのギャップが生じるのと、瀧とダリアのダンスシーンは取って付けた様な青春映画の表現に青春映画なのか家族愛の映画なのかは分かりづらくブレた感じがしましたが、如何でしょうか?
あと、細かい事ですが、青治が和生を橙花に紹介する時に“結婚するんだが、小さい島だから、いろんな事を言う人もいるから、和生は養子として迎え入れるんだけどな”と島特有と言うか、閉鎖的な空間での偏見に対しての配慮の筈なのに、ラストでは島の住民、ほぼ総出みたいな人数での浜辺での披露宴には“養子にする配慮での気遣いはなんやったんや!”と声を大にしてツッコんだぐらいの大きなお披露目でしたw
違和感と言うか、なんか変的な感じが全編に漂いながらも優しい雰囲気が漂って、いろんな事に気遣い、振り回されて、疲れていく中に「自分は自分。他人は他人。だからこそ、否定するのでは無く、受け入れる事が大事」と感じさせてくれた優しい映画です。
勿論、島での生活はそんなに優しくないと思いますがw、そこは板尾さんの花嫁姿と相まってファンタジーで良いかとw
クスッと笑わすし、ホロッとさせるし、ちょっと変な感じがするし、でも観て良かった作品です。
結構お薦めですよ♪
監督の芯の強い想いが伝わって来る、良作
新人監督の初監督作品だと知っていたので、細かいことは気にせず見られました。 技巧はともかく、物語や映像から真っ直ぐな優しさがすごく伝わってきて、温かい気持ちにさせられました。 映画ってやっぱり伝えたいというハートが大切なんだと知らされました。 ☆は冷静に考えた数だけど、監督を応援したい気持ちは☆5です!
「別に良いじゃん」が普通の世界
和生とダリアが福島からかと…。 なかなか型破りで、笑わせてくれる登場人物たちだけど、これは、ホロっとさせられた。 あと、瀧のカミングアウトも。 「別に良いじゃん」 そう、ものすごくそう思う。 多様性とか言って、外国人とかトランスジェンダーとか、腫れ物に触るように気にかけたりするけど、本当の本当のは、「別に良いじゃん」が一番良いのだ。 彼らだって、そう思われて、普通の一部でいられることが一番良いに違いないのだ。 不寛容な時代だ。 ちょっとした意見の違いを見つけては、悪意とも取れる意見を送りつけたり、怒りを露わにしたり。 「別に良いじゃん」 僕もみんなも、学び直した方が良いじゃん!
温かい作品
初日舞台挨拶で観ました。 観終わった感じが とても温かい気持ちになるのが最高です。 実はとっても深い難しいテーマ なのかもしれないけど そういうことを全く感じさせないです。 とっても良いです。 みんなに観てほしいです。 ※監督さんがコッソリ出演してるそうです。 (自分は見つけられなかったけど)
素敵な景色と優しい空気
東京で働き、結婚もしたが何か満たされない主人公の澄花が数年ぶりに実家に戻ってみると 亡き妻の洋服を着て楽しそうに家事をし再婚報告をしてくる父の姿があった。 動揺と疎外感で反発していたが「本当の幸せ」は理屈では無いものだと気が付く。 優しい作品です。 新島の素敵な景色と優しい空気はそれだけでも宝物です😊 ふくだももこ監督と、主演の松本穂香さんのご挨拶もとても楽しかったです。
ロケ地の海に癒される
設定・テーマはいいのに、もったいない。 タイトルの”おいしい”。 いただいたフライヤーにある”おいしいごはん”。 食事がキーワードの一つになっているのだと思うのだが、 ちっともおいしそうに感じられない。 一番の原因は食べ方。 校長を務められた家に育った子どもとしてみると、食べ方が汚い。 皆から愛されるという設定の居候も食べ方が汚い。 躾が行き届かない家庭に育った設定ではなかろうに。 (しばらくぶりに食べる飯にがっつくシーンは、やはり『幸福の黄色いハンカチ』の島がダントツ。高倉氏の演技にかける思い、そこまでできる俳優の存在が稀有ということか) 彼らに比べると、 スリランカ?からの嫁の、スリランカ飯の食べ方の美味しそうなこと、 反抗期の自由奔放なJKはマナーこそあれれだが、食べ方がきれい。 そして板尾さん演じる父も、食べ物を愛おしそうに召し上がる。 エンディングのスタッフロールをチェックすれば、フードコーディネーターの名前がない。 食事をキーワードの一つにもってきてはいるものの、雰囲気だけで、頭で考えるだけで、”食事”と言うものに本気で向き合うことなく、映画を作ってしまったのだなということが露呈する。 ”(笑)”をとる方向 もしくは やさぐれ感を表現しているつもりなんだろうけれど、げんなり。 ”食べ物がつなぐもの”にもっと向き合っていただきたかった。 映画が終わった後には監督が登壇。 想いはわかるけれど、客観視できていない。 原作となった短編映画は未見。 文学賞受賞された方と聞いたけれど、映画は推敲しなかったのか。 夫が亡き妻の服を着る(ただの女装ではない)。 その想いを突き詰めるだけでも”家族”を見つめ直す傑作になったろうに。 ”家族”についても、言いたいことはわかるんだけれど、台詞で言われてもね。 パートナーに和生を選んだ理由が描けていないから、説得力がない。なぜ、”同居人”なのではなく”夫”なのかが見えてこない。 ”この”赤ん坊を”養子”に迎えるのと、この”人”を”夫”を選ぶのとでは、違うと思うのは私だけ?まだ”人格”もはっきりしない、これから育てていく責任を担う赤ん坊と、すでに”成人”として”人格”が出来上がっている”結婚相手”。 結婚相手は誰でもいいわけじゃないことを描くために、橙花の設定をああいう風にしたのだと思ったのだが。 そしてもう一つのキーワード”魔法”を突き詰めるだけでも傑作になったろうに。 絵的にも、構図とか、役者の背の高さとかも一つの構成要素だと思うのだけれど、チャンプルーを表現するためにわざとこの役者たちを選んだのか?と思いたい反面、会社やスポンサー・予算の関係?とも思えてくる。それくらいに、この役者たちのアンサンブルが、リズムが、かみ合っていない。 多文化共生。いろいろな生き方。それはわかるけれど、安直。小学生の作文。もったいない。 板尾氏の出演作であり、設定に興味を持って、試写会応募。 ああ。 それでも ロケ地の海は美しく、あの風景に出会いに行きたくなった。 JKを演じた方は、演技力はどうよと思うが、小松菜奈さんを始めて観た時の印象を思い出した。『装苑』のモデルさんなのね。 そして何より、板尾氏。 みんなの幸せを願う生き様は、その佇まい、台詞の言い回しにもにじみ出ていた。 笑いを誘うのだけれど、この安定感。この映画の日差しに溶け込んでいるのだけれど、大木のように支えてくれている存在感がにじみ出てくる。 だからこそ、もっと板尾氏にフューチャーしていたら、もっといい映画になっていたのにと悔やまれる。
いろいろ考えさせられる
監督が優しく丁寧に描いた作品。 ジェンダー問題を取り上げてはいるものの色々と考えてしまう。 多様性も含め昔と違う世の中。 旧来の人と若者。 心情や秩序などいろいろと考えてしまった。 終わった時に良くここに落ちたなと思える良作である。
生きていればいいんだ
久しぶりに実家に帰ったらお父さんがお母さんになっていた…って、そりゃ主人公みたいに反発心しか抱かない。 身の回りがマイノリティになりすぎてマジョリティだったはずの自分の方がマイノリティになるという複雑さ。 ヒロインの気持ちに寄り添える展開。 メシテロ映画ではあったけれども、もっとメシテロ映画だと予想していたので、もう少しお料理を見せてくれても良かった。(でも偶然家におはぎがあったので帰ってからガツガツ食べました。そうなるよねーー) 松本穂香さん、大人になりきれない女の役、すごくイイ。 あと、板尾さんのスタイルがすごくイイ(笑)
板尾さんのワンピース姿、似合ってます!(^^)
この映画の何が一番印象に残るかと言えば、ワンピース(笑) 板尾さんのワンピース姿に、ビックリしたのは事実(笑) でも、違和感を感じたかというと、そんな事は全くなくて、すごく自然体な姿で佇んでいました。 板尾さんが、主人公の橙花の父親として、そして母として生きる姿。 その姿は、完全に母親たる女性でした。 妻を亡くして悲しみに暮れるというよりも、新しい人生を生きる為に、新たなパートナーを見つけた父親。 相手は男性ですが、性別なんて関係ない! 愛し合っていれば、なんだって乗り越えられるんだってことを、この映画で知りました。 2人の関係に、初めは家族全員が戸惑っていたのは事実。 でも、パートナーの濱野さんの満面の笑みに、家族が一気に笑顔になって、悩みがふっ飛んでしまうのですから不思議! 父親に対する、嫌そうな演技がピカイチに美味かった松本穂香ちゃん。 いざ自分の父親が知らない男の人を愛してると言ったら、私も彼女のように反抗してしまうかも…。 やっぱり現実って厳しいですから…。 それでも、彼女は少しずつお父さんを受け入れて、変わっていく姿が良かった! 自分の心の葛藤にモヤモヤしてしまい、深夜道路で、一人ででんぐり返しをしてしまったとしても…(笑) それでも、自分の気持ちに整理をつけて少しずつ受け入れていく姿がすごく良かった! 島の人たちがあまりに自然に受け入れていることに、ちょっと違和感を感じたけれど…。 のんびりゆったりの島民の人にとってみれば、男同士の結婚だなんてあんまり気にならないのかしら?? 気がついたら、家族みんなが2人のことを受け入れられていたから、私もきっとずっと一緒に住んでいれば、気持ちって自然と変わっていけるのかもしれないと思いました。 最後に、性別を超えて、1人の家族として家庭を守っていくと決意する父でもあり母でもある板尾さんの堂々とした演技に感動! 黙って静かに家族を包み込んでくれる、包容力溢れる姿に、母親の姿を感じました。 親にとって子供は、生きていれば、それだけで十分幸せな存在なんだってことを教えてもらいました。 素敵な素敵な映画をありがとうございました(*^ω^*) 最後に…監督が舞台に登壇! すごく若い監督だったことに素直にビックリ! 年齢なんて関係ない、伝えたい思いが強ければ、素晴らしい作品が出来上がるんですね。 少しでも、人にやさしくしてあげられたら、自分自身が幸せになれる。 優しさの循環が幸せを生むってことを教えてもらいました(^^)
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