「全然、ココロに入って来ない。」おいしい家族 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
全然、ココロに入って来ない。
令和のサザエさん。的な。新しい形の、というか、非定型のファミリードラマが撮りたかったのかなぁ、なんて事を思いましたが。全くココロに響かんのですよ。俺みたいな爺さんの心には。いや、爺さんなのはココロだけです。
もう至る所で感じる「実体の無さ」は、個々のエピソードが「スカ」だからかなぁと。誰もが評論家口調でアレヤコレヤを語り、回想し、論述し、かなり理解不能な行動を起こします。
この物語の舞台が東京や大阪の下町だったら。コッテコテのベッタベタに、間違いなくなるけれど、そっちの方が判りやすいかもしれない。何よりも、お父さんが風林火山の「山」過ぎて。全てを受け容れる包容力は「山」である必要ないし、人間臭さを演じられる役者さんを起用してるんだから、喜怒哀楽の「喜」も欲しかったかなと。色んなぶっ込みに、浅さしか感じられなくて、かなり辛かった。愛の定義。家族の定義。の話の流れと「結婚」の繋がりに合理性を欠くのは許容範囲としても、「角隠し姿」の必然性については抵抗感を拭い去れなかった。
ホロリ場面や、この家族への愛おしさを感じる場面はあったけど、流れないよなぇ、刺さらないよなぁ、と思いながら劇場を後にしました。撮りたいものは分るけど、商業作品としての「一本の完成度」って言う点では、かなり物足りませんでした。
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