「CGに頼らない生粋のダークファンタジー。」ボーダー 二つの世界 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
CGに頼らない生粋のダークファンタジー。
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事前情報ゼロで見ましたが、先読みが全くできずにゾクゾクした。
あーーでも、これ、フィンランドからクレーム来ると思うんですよね。「辺境地扱いすんな!」って。トロルが裸でキャッキャ走り回ってても違和感がない「イメージ」としては、日本の俺らから見ればスウェーデンもフィンランドも大差無いけど。スウェーデンで良いじゃん、デンマークでも変わらんじゃん、さして、多分。
不穏な雰囲気でダークな幕開け。容姿の醜さに反し、結構可愛いとこもあったりするティーナ。と言うか、名前、無茶苦茶可愛らしいやん。彼女の不遇と不幸によって色付けされた「暗さ」に、少しづつ「不穏」が重ね塗りされて行き、ダーク振りが更に暗くなります。
謎に包まれていたヴォーレと関係を結んだ前後に、そこはかとなく漂う不思議な「暗い幸福感」で上向き気分も、冷蔵庫を開けた瞬間から再び暗転。と言うか奈落の底への垂直落下開始。だがだが。「おそらく我が子」を抱いたティーナの心や、さていかに。このラストが衝撃的過ぎて。いや、マジでやばいくらい。
私達が嫌悪するモノを小出しにし、遡上に並べながら、徐々にダークサイドへ導いて行く物語にはゾクゾクしか無いです。CG全盛の時代、画とビビらせる演出に走りがちになるダークファンタジーに溢れる映画界。北欧ものって、ミステリー小説もそうだけど、斬新。いや、エグイ。
作り手の狙い通り、嫌悪感でゲロゲロになりながら、ダークな世界に引きずり込まれちゃったのよ、ランラン。つか、トロルの特殊メイク、やば過ぎだって。
ゾクゾクした。ものすごく。
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