劇場公開日 2019年10月11日

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「ミステリーやホラーよりも、自己発見の物語。」ボーダー 二つの世界 ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ミステリーやホラーよりも、自己発見の物語。

2019年11月16日
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鑑賞方法:映画館

原作者が、これもスウェーデン発のホラー「僕のエリ 200歳の少女」の人。

スウェーデンの税関に勤める女性ティーナは、ネアンデルタール人のような風貌で人々が奇異な目に晒されてながら、優れた嗅覚の六感で仕事こなす優秀な職員。

スウェーデン郊外にある森の中や泉が、美しく神秘的に描かれて、そこに佇むティーナの心情を和ませる。

18禁の映画なので、残酷描写とかが凄いのかと思ったら、ティーナから男根の様な生殖器が生えてセックスをして、醜い姿に苦悩するヒロインが、実は、神話になっているトロル種族の末期だった。

つまりムーミン族でしたのオチ。(アニメにもなったねえムーミンです)

思えば同じ原作者の「僕のエリ 200歳の少女」も実は〇〇でしたが後半あったので、なるほど納得。

ただヒロインのティーナが、人間とは違うトロル種族で、多くの同胞が、過去に人間から迫害を受けていた部分は、スウェーデンの原住民サーミ人の差別と迫害の歴史とダブる。

そういえば、サーミ人の差別と迫害を描いた苦手青春映画「サーミの血」を思い起こす。

アメリカではインディアンもそうです。原住民を後から来た開拓者が迫害する歴史は、何処の国にもあるから。

ティーナ役の主演女優のエバ・メランデルは、特殊なメイクで、ネアンデルタール人のような風貌の女性を好演。

監督のアリ・アッバシはスウェーデン国籍の中東系らしく、落ち着いた演出で物語を上手に紡ぎ、脚本も手掛けている。

傑作ですが、癖が強いので見る人を選ぶかも。

ミラーズ