「メアリーはマリア様?」魂のゆくえ 蛇足軒瞬平太さんの映画レビュー(感想・評価)
メアリーはマリア様?
トラヴィス・ビックルにとっての
you talkn' to meのyou は
周囲のチンピラや偽善者たち。
トラーにとってのyou talkn’to meのyouこそが、
本作の主題であり、ポール・シュレイダーの集大成,
あるいは遺言?なのかもしれない・・・ほんまかいな?
トラーにとってのYou?
どういうことか?
トラビスの周囲の悪党よりも、更に巨悪と対決!
と、みせかけて、
you は最後にMaryに代わる。
Mary(他の名前ではなく、この名を名付けたという事は、
聖母Mariaと解釈しろという事でしょ。
無理はあるが処女懐胎に近い設定でもある。)
Mary is talking to me .
※以下補足と苦言。
苦言をするならば、
この、憎しみ、攻撃、(マリア様が私に話しかけるという事を)受け入れ、赦し(トラーにとっては現実社会との折り合いか・・)、
を軸にしたプロットだけでも映画として成立はする。
しかし、あまりにセリフのみの会話だけのシーンが多過ぎる。
こういう内容なのでエンターテインメント寄りにとはいわないが、
もう少し観客を楽しませませ(さだまさしか!?)んか?
例えば、聖歌隊が唄うシーンのイーサン・ホークのカメラ目線(微妙に外れている?)など、イーサン・ホークにおんぶにだっこ過ぎやしませんか?
ベルイマンやブレッソンからの引用、這いつくばって聖なる神秘はカヴァレロヴィッチへのオマージュ、そんなに他の監督や俳優に頼るのであれば、
いっそのこと、スコセッシやP.T.アンダーソンに監督を任せていれば・・・。ほんの少しでも考えたのかもしれないが、ふたりとも今ではもっと難解な事をしでかすかもしれない巨匠になってしまった。
パク・チャヌクやイ・チャンドンなら、ポランスキはないな、どうなんだろう?
グザヴィエはまだトラヴィスレベルか・・・ポール・ハギスは宗派が違うwww宗派じゃないwwwなどなどませませ考えたけど、
結果、監督俺という結果になったのかな?・・ないない(苦笑)。
もうひとつ
ふたりで田舎道をサイクリングするシーンはスタイル・カウンシルの「My ever Changing moods 」のPVを思い出した人が多いかも。
なぜなら、アングルなど撮り方も似ているし、なにより歌詞がトラー牧師の心境そのままだから。
ever changing moods yeah