「新世代にバトンは渡った……のか?」ゴーストバスターズ アフターライフ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
新世代にバトンは渡った……のか?
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予告編でマッケナ・グレイスがくりくりのくせ毛にまあるい眼鏡をかけていて、ああ、ハロルド・ライミスの孫設定なのねとはわかっていたが、ジュブナイル感満載のテイストに、ジェイソン・ライトマンが新しいゴーストバスターズを描くのだろうと期待していた。というか、勝手に思い込んでいた。
蓋を開けてみると、はるかにオリジナルへのリスペクトに満ちていて、軽いノリも、怖くないゴーストたちも、なんだかあっけない敵の陰謀もオリジナルを踏襲し、ビル・マーレーとライミスの実生活の確執も浄化するような展開に思わず目頭が熱くなった。
でも、である。ゴーストバスターズ世代というしかない年齢の自分にとって、これはファンサービス以上のものがあったかというと疑問が残る。新しい世代のキャラクターたちは、先達のレールの上で戦ったにすぎず、ポストエンディングはすっかり旧メンバーのサービス映像に取って代わられた。2016年の女性版が基本的にオリジナルのノリを踏襲しつつも違う活力のある作品になっていていたく楽しかったのとは反対に、新世代や新機軸をノスタルジーが凌駕してしまった気がする。
いや、ファンサとしてはコレで正解だと思いますよ。思いますけど、過去から踏み出す物語なのに、過去で足踏みしているようで、もったいないというのが本音です。
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