「愚直な熱量」宮本から君へ こうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
愚直な熱量
愛か自己満かなんていう理屈とか、なんのために闘うかなんていう大義とか、そんなもの一切関係ない。ただ愚直に目の前の人と対峙する池松壮亮が馬鹿馬鹿しいのに、いや、だからこそ切ない。こんなにボロボロになって闘ってるのに不器用すぎるから。でもそれがいい。人間味がありすぎて感情移入できないけど、それでも愛おしい。
綺麗な映像じゃないし暴力は多いし暑苦しくて疲れるのに、なぜか終わった後は清々しくて、エネルギーを与えられた気分になる。
なんとなくそれっぽい御涙頂戴の邦画は昨今ありふれてるけど、そんな半端な作品とは程遠く本気で迫真の2時間。
池松と蒼井優による最高の演技力を楽しむ映画かと思えば、コミカルな演技で最近人気の佐藤二朗が静かな迫力を見せてくれるし、一ノ瀬ワタルの途中から豹変するギャップも緊張感があって良い。
そしてラストの爆音主題歌が最高。
総じて言いたいことは、本作に限らず池松壮亮という俳優が発する熱量の凄まじさは全国民に認められてほしい。
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