「よくわかんないけど海に向かってみやもとぉーって叫びたくなる映画」宮本から君へ atararuiさんの映画レビュー(感想・評価)
よくわかんないけど海に向かってみやもとぉーって叫びたくなる映画
ストレートに体当たりでくる内容に見えて手のひらサイズ感も大切に収めてあるところに好感を持った
前歯の抜けたたどたどしい喋りが何ともいい味出てた宮本
現在と過去が入れ混じる見せ方は説明がしやすくなるのかもしれないけどそれが何度も多すぎるのは気になった点
ポイントは金魚 個人的に重要なアクセントだと思う
生ききってやると言える人間に対して自由でいられない非力な水の住人として生々しく描かれていた
身勝手な人間により外界へと投げ出され挙げ句の果てには命尽き果ててしまうのだから···それに
あの容器サイズだと酸素不足でどちらにしろ生ききることはできないし肝心なブクブクも無い···
何故ここまで金魚に拘るかというと私もまた身勝手な人間 ブクブクの電源を入れ忘れ金魚を死に追いやってしまったことを思い出す···二人が金魚の死を悼み土へと葬る場面ここまで映すことで熱血映画に繊細な手触りを与えた
この金魚の場面はさり気なく置かれつつも有効 その儚き尊さをもっての話
瀕死の金魚にとりあえず慌てて水道水を入れた宮本にカルキ抜かないとダメだろと言う裕二 優しいんだな裕二は あぁ見えても 傷心の靖子のもとに駆けつけたり雪降ってきた嘘だよ〜んでも憎みきれない人
宮本の愛情は怒りと身体を鍛えることに比例してどんどん力強くなってゆく
と、同時に可愛いくなってるから惚れた女に対する男は可愛いい 猫が飼い主に採った獲物を見せにくるみたいに自転車の後ろに乗せてきて俺はやったどーなんて困った奴なのに愛おしい(笑)
救急隊員に話してたことも微笑ましく 靖子も宮本が自分のことを「どう」好きなのかがよーく解ったから受け入れて大団円 この、どう が伝わることが結構大切
人間本気で挑まなければならないことってある 怒れる熱と血は流行り廃りでなく不滅のものだということを見せつけてくれた 生きてる限り熱い血は消えちゃいないよね 押忍!!