「【懸命に生きる男女の魂の激しいぶつかり合いを描く、突き抜け過ぎて可笑しみさえ漂う恋愛映画の秀作】」宮本から君へ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【懸命に生きる男女の魂の激しいぶつかり合いを描く、突き抜け過ぎて可笑しみさえ漂う恋愛映画の秀作】
近年の邦画は30代の恋愛作に良作・佳作が多いと思っているが、この作品は”特筆するほど”、スクリーンから伝わって来る熱量が半端ない。
何しろ、蒼井優さんと池松壮亮さんお二人の演者としての力量が発する、 ”圧” ”熱” が凄すぎる。
観れば分かるが非常に面倒くさく、暑苦しい人たちである。(特に宮本演じる池松さん) 二人は感情の赴くまま全身全霊で叫ぶし、滂沱のごとき涙と血を流す。
その二人を芸達者な方々(井浦新さんを筆頭に、松山さん 佐藤さん ピエール瀧さん(この人は矢張り凄いなぁ) 柄本時生さん そして、ちゃっかり新井英樹さんも出演している)がきっちりサポートしている。
この作品が心に響くのは、不器用だが〈生ききってやる!〉というエンドロールに流れるフレーズ通りに損得勘定なしに全力で生きる宮本の姿が可笑しみを持ちつつ、純粋に愛する人を思い、ド直球に行動する姿に心を揺さぶられるからだと思う。
実に清々しいし、今時は宮本みたいな人間は絶滅危惧種だろうから・・。
<池松さんも相当凄いが、矢張り、蒼井優という女優の”肝の据わった根性”には敬服するしかあるまい、と思った作品。>
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