フォードvsフェラーリのレビュー・感想・評価
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レースがレーサーの物だった時代のお話
昔からモータースポーツが好きで、フェラーリとフォードのこの実話を映画化すると聞いて、大きな不安があった。昨年のボヘミアン・ラプソデイもそうだが、有名な実話を映画化する場合、真実を知っている人が多く、脚色の仕方を間違えると違和感しか残らなくなってしまうからだ。そういう点において本作はとても上手に纏めてあり、実話物としては非常によく出来ていると思う。
時代考証も緻密で、レースシーンではフォードやフェラーリだけでなく、ポルシェやアルピーヌなどのレースカーも当時そのままに登場する。惜しむらくは、ル・マンという壮大で特殊なコースが余り描かれていないことだ。まあその辺りはスティーブ・マックイーンの栄光のルマンを見て頂けるといいと思う。
物語はル・マンで勝利することを義務づけられたフォードGT40の開発と、互いが優れたドライバーでも有り、心の中まで知りうるキャロル・シェルビーとケン・マイルズ、二人の友情を主軸に描かれていく。マシン開発の苦悩、フォード上層部と軋轢、様々な苦境を乗り越えていくシェルビーのリーダーとしての剛胆さを巧みに描いている。またマイルズの家庭描写も繊細で、そういったシーンの積み重ねが、本作に人間ドラマとしての奥深さを与えている。
本作の舞台となる60年代前半のレースカーは強力なパワーを持つエンジンと、空気抵抗の少ないマシン、そしてそれを操る勇敢なドライバーという、単純な構造の中で成り立っていた。しかし現在は燃焼効率や空力といった難解な図式を解いたチームのみが勝てるという非常に分かり難い物になっている。
現在のマシン開発には莫大な費用が掛かり、簡単に参戦出来る物ではない。その代わり優れたマシンがあれば、ドライバーはチームの指示通りに走れば勝ててしまう。ドライバーはマシンを操作するロボットとなり、感情を捨てることを求められる。現在の耐久レースは勝敗においてドライバーの比重が低い状況になっている。
本作の時代はまだコンピュータが一般的ではなく、人間が勘と経験でレーシングカーを作っていた。またドライバーも自分の意思でマシンを操り、人間同士の闘いが見られた。
当然当時のマシンは現在のような強固なカーボンモノコック製ではなく、クラッシュするとマシンが潰れて引火し、死亡することも珍しくなかった。だからドライバーは命知らずのレーサーと呼ばれて、人々の尊敬を集めていた。残念ながらマイルズは実際に事故死し、劇中でもその場面は描かれている。
本作は当時の様子を空気感まで含めて描き切っており、作品としてのレベルは非常に高い。この作品はモータースポーツのファンのみならず、重厚な人間ドラマとして万人が満足出来る作品になっていると思う。
戦う男は美しい
ルマンのロマン
渋くてかっこいいこれぞハリウッド映画
とにかく内容が素晴らしい
ヘンリーフォードJr.とエンツォフェラーリの描写も
フォードJr.社長の側近達の描写も素晴らしかった。
この映画の続編があっていいくらいの
企業ドキュメンタリー映画でした。
モータースポーツが好きな方は当然ながら、そうではないが企業で働いてる方々が観ても楽しめる映画。
キャロル&ケンvsフォード?
"株も土地も、いくらでも売ってしまえばいい。しかし名前だけは売ってはいけない"
by エンツォ・フェラーリ
IMAXレーザーで鑑賞
割とモータースポーツファンですので
楽しみにしていた作品です
感想は
レースシーンのビジュアル
当時の空気感の再現度
ダブル主役の熟練した演技
どれも素晴らしかったです
…でも物足りない部分もありました
モータースポーツの中でもルマン24時間は
メーカーが威信を賭けて激突する世界三大レースの一つで
昨年一昨年と連覇を遂げたトヨタも
現在に至るまで莫大な予算を投じていたし
初挑戦から30年以上経てやっと迎えた栄光でした
大メーカーのプロジェクトですから結果が出なければ
撤退もありますし現場は重役から無茶な要求もあります
それくらい現場はほとんど丸投げ状態で戦っています
史実を元にしていますので連覇中のフェラーリに勝つために
キャロル・シェルビーやケン・マイルズだけではない様々な
エンジニアの努力をもっと描いて欲しかった気がします
フォードのルマン制覇の要因は信頼性の高さでした
実際そこに力が注がれていたわけです
フォードが開発したGT40は驚くほど短期間で仕上げられましたが
英国のエリック・ブロードレイというエンジニアがローラ社で
開発したローラMK6というマシンがベースになっており
ルマン向けに耐久性を高めていく開発をマイルズらと
進めていった結果作中の勝利から連覇を遂げていったのです
ぶっちゃけフォードvsフェラーリと題打つなら
主役はGT40だと思います
そのへんの掘り下げがほとんどなく
なんとなくクルマが仕上がっていったかのように
描写されていたのはやや残念でした
結局現場と親会社の意見の対立などが目立ってしまい
親会社の重役のような視点で話が展開していってる
印象を受けました
レースやクルマ等に詳しくない観客には
そのほうがいいのでしょうけれど
実際数字で高評価なようですし
レース界のエンジニアの方が観ても
共感できるテーマなのはあったと思います
かなりニッチなテーマを取り上げ
一般の人が興味を持つきっかけになったとしたら
モタスポファンとしても嬉しいところ
IMAXレーザーの精細な映像とOHV8のパワフルな
音響はベストマッチでした
ぜひそれで味わって欲しい一作です
追記:
パンフレットによると制作段階ではエンジニアや開発面に
注力したシナリオのパターンも候補にあったようです
時速320キロの世界
車やスピードに夢中になる人の気持ちが分からなかった。なのに終わる頃...
ワクワクが止まらない!!!
ぜひ劇場で見る事をオススメする傑作!
劇場で見る事で本領を発揮する映画なんだ!
●エンジンの爆音に胸が躍る。映画はある意味音楽的な側面を持っているけど、音で見せる?映画は意外と少ない。音響にかなりこだわっている。
●レース映画って何台ものカメラで撮ってプロモーション的に見せる作品が多い中、この映画は一つ一つのカットの臨場感がスゴイ。CG処理が多い昨今、出来るだけ実写で見せてる。制作者の映像への自信の現れがカットの長さに出ている。今どきのアクション映画は1カットが1秒に満たない。映画の見せ方に自信がないからカットを切り替えずにいられない。
この映画はどんなに激しいレースシーンでも2〜3秒のカットを多様している。映画はダレるどころかどんどんのめり込む。アクション以外でも俳優の長台詞を1カットで見せ切ったり。スゴイ映画は正統な演出であると思い至る。
●言うまでもないがクリスチャン・ベール、マット・ディモンが素晴らしい。とくにクリスチャン・ベールは演技とは思えない。存在感が半端ない。
他キャストもいい味出してて、嬉しい。憎まれ役もハマってる。
●ロマンの萌えツボを確実に押してくる。限界を超えてさらに先へ…爽快!と思ったら、勝者になりきれない。でも希望が見えて・・・。シンプルで力強いストーリーに感動。
●音楽がいい!
今年初っ端からベスト1を引き当てたか?って思えるくらいワクワクした。
互いを認め合う姿に心打つ、爽快感味わえるカーレース映画
何かと衝突しながらも互いの才能を認め合い、関係を深めていく主人公2人の姿に惚れた
心配しつつもそっと見守る妻との関係や、面子を気にする幹部との対立など、人間関係に深く迫り惹きつけられた
ブラックジョーク飛ばした会話に笑いが溢れ、車やレースへの熱い思い秘め闘いに挑む姿に胸が熱くなった
臨場感あふれるカーレースシーンに圧倒され、爽快感を存分に味わえた
最高の映画だった
カーレース+熱いドラマ。
フェラーリは美人コンテスト1位
ケン マイルズのカッコよさたるや
2800円の価値 追記有り
映画館に到着した時間の関係で、2800円!払って普段は観ない4DXで観賞。
当方、自動車整備工場経営で、愛車のロータスで年に数回サーキットを走っている。
時速2~300キロでは、車体各部(シフトノブ等)に微振動が起こり、コーナーでは首を内輪側に傾けないと支えていられないぐらいの横Gがドライバーにかかる、そこら辺の描写が甘いよなぁ…
何よりピットクルーが走行直後のセンターナットを素手で触っていたのには失笑、熱くて触れるワケが無いぞ!
そういったリアリティー描写が気になってしまった…
あと、作品に罪は無いが劇場シートの動きも作中の車体の動き(G)とイマイチ合って無かったのも残念…
テーマパークのライド系とまでは行かなくても、もう少しリンクさせて欲しかった、椅子動かせば良いってモノではないよね!
映画の出来としては、驚く展開も無く、芝居も平均値。
車好きなので、採点甘め。
追記
創刊当初から愛読している「映画秘宝」で本作が年間ベスト1でした。
本作を上位に投票した方は
そもそも免許を持ってない
持っててもスポーツカーに乗った事がない
スポーツカーに乗っててもサーキットで全開走行した事がない
方々だと思われます…
ま、コロナ禍で公開作品が少ない一年だったから良いんですけど、これが一位かぁ…
面白かった!
クリスチャン・ベール
この人,良い役者さんですね。するめみたいに良い味出してる。
実話と言うことだけど,エンドクレジットのとこで出てきたご本人
にそっくりじゃんか。何で本人にこんなに似るんだろう?ボヘミア
ン・ラプソディのブライアン・メイとかジョン・ディーコンみたいに。
いつも不思議に思う。
映画だけ見てると,フォードの経営陣の傲慢さや低俗さにあきれますが
実在する企業をディすっちゃうような,こんな映画が出来るところがまたすごい。
かえって懐が深いような寛容ささえ感じる。
スピードの世界のぶっ飛んでるところは,その世界の人にしか分かんない。
私は映像で見てるだけで怖いと感じる。でもシェルビーの複雑な胸中とか
ケンの目先の勝敗を超越した思いとかは,分かる。これはどの分野にも共通。
でも!! ベールも良いけど,私はホアキンだと思います!よ。
フォードVSフェラーリじゃなくて、技術者VS経営陣
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