フォードvsフェラーリのレビュー・感想・評価
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クリスチャン・ベールの映画
疾走感と理不尽な試練。全てのオトナに!
大人の事情が交差してるねえ
一言。「臨場感たっぷり」
☆よかった点☆
・冒頭と後半のレース場面。いやー、劇場ならではの画面&音の迫力。
足元で思わず一緒にアクセル&ブレーキの動作をしてしまったほど。
・カーレースだけではなく、戦後を経ての成長していく経済・企業話。
「へー」って思わず感心しきり。
・ほぼ男気に満ちあふれているところも、わかりやすい。
家族の話もいいアクセントだし。
・カーレースの世界や事情(フェラーリーはアメリカだと思っていた私)を知らなくても、まあわかる内容。
というか、これで「ピットってこういう事してるのね」と理解できました。
△ちょっとなー、な場面△
・レースの外での、買収云々の話が経済音痴な私には、ちょっと理解が付いていけず。
若干眠気が来ました。
約160分と尺が長いわりには、あっというまでした。
走り屋たち
カーレースを題材にした作品は抵抗を感じる時がある。
レースシーンは興奮するが、車好きやカーレースに詳しくないと心底楽しめない。ちなみに自分は、車やカーレースの事には全く疎い。
本作も序盤はそうだった。車好きには堪らん車種名、専門的な用語も飛び交う。
が、車やカーレースの映画である以上、それらはあって当然。
それに、本題に入るなり、どんどんどんどんエンジンが掛かってきた。
経営不振にあえぐフォード社。
大手フェラーリ社と競合案を持ち掛けるも、他社とのダシにされる。
舐められたフォード社は、レース参戦を決意。即ち、
ル・マン24時間レースで、フェラーリ社に勝つ!
当時のレース界の絶対王者に勝つ!…というカーレース映画の醍醐味も充分だが、
弱小企業が大企業に挑む!
すでに例えられているように、池井戸潤作品のような、日本人好みの題材ではないか。
車好きでなくともカーレースに詳しくなくとも充分楽しめる作りになっていた。
その超難関レースを任されたのは…
キャロル・シェルビー。元名ドライバーだったが、心身の限界により技術者へ。
ケン・マイルズ。破天荒で問題児の天才ドライバー。
意外な気もしたが、マット・デイモンとクリスチャン・ベールの2大スターが初共演。
両者共さすが甲乙付け難い熱演見せるが、強いて言うならやはり、ベール。
非凡な人物像、感情激しい性格、今回もまた減量して挑み、いつもながらその巧演と役者魂には感服させられる。
レースシーンの大迫力大臨場感は言わずもながな。
これは本当に本当に、劇場大スクリーンで体感して!
あの速さ、夜や雨の中も走るスリリングさに、ハラハラドキドキ!
まるで自分も車に乗り、レースに参加して爆走してるかのよう。
車の事に全く詳しくないのに、掛かるエンジン音にすらしびれてきた。
撮影、編集、音響などの映画技術は超一級!
テンポよく、グイグイ引き込まれ、全てを手堅く纏めたジェームズ・マンゴールド監督の手腕は称賛モノ。
常に上質作品を手掛け続けるこの才人に、また一つ新たな代表作誕生!
本作にこれほど興奮・魅了されるのは、単なるカーレース映画に非ず。
主人公たちに次々降り掛かる問題、難題、障害。
限られた資金と時間の中でレースに勝てる一台を作る。改良、試験走行、試行錯誤を繰り返しながら。涙ぐましい技術者魂!
交代で運転し、修理や点検、休憩も挟むが、24時間を走り切る。その不屈の精神!
最終的な目的は妥当フェラーリなのだが、他にも敵が。当のフォード社で、重役たちの圧力や確執。コイツらの顔を立てる為に、俺たちは最高の車を作り、命懸けのレースをしてるんじゃない!
シェルビーもマイルズも、言わば“負け組”。
シェルビーは夢破れ…。
家庭を持つマイルズは作業場が差し押さえられ…。
両者、人生クラッシュ寸前。
そんな時に、この一世一代の挑戦。
勝てるか負けるか、分からない。
だから、挑む!
芽生える男二人の絆と友情に、熱くならない訳がない!
実話なので触れるが…、
フォードはレースでフェラーリに勝つ。競い合って勝ったというより、技術面での勝利と言えるだろう。
ここで興奮最高潮のゴール!…とならないのが、本作のミソ。
再び、走り屋のプライドを傷付けるような、会社の横槍が。
そんなもんを蹴散らし、走り屋として突っ走って欲しかったが、意外にもマイルズが選択したのは…。
その時のマイルズの表情が忘れ難い。
会社の要望通りにした。こんなにも貢献したのに、シェルビーとマイルズに突き付けられる不条理…。
さらに、
レース終わって、開発した新車の試験走行中、まさかの悲劇が…。
全く知らなかったので、ショッキングであった。
確かにこれは、単なるカーレース映画ではなかった。
仕事や家族、何の為に不可能に挑むのか。
技術者として、走り屋として。
疾走感に痛快さと爽快さ、ほろ苦さをまぶしつつ、
プライド、誇り、信念…熱い漢たちのドラマ!
2020年最初の劇場鑑賞は、見事なスタートダッシュを決めた快作であった!
迫力のスピード感を満喫
レース好きは見に行って!
昔のレースの事は全然分からないけど、これはかなりリアルな作りだし面白い。カーレースの迫力も満点。ストーリーも史実を元にしているので当時のレースカーの裏側はあんな感じだったのだろう。今のガチガチのレギュレーションからすると牧歌的に思える位ゆるく、高速で走る車に反してなんとも大雑把で豪快な感じは時代性でしょうか。古き良き時代?のレース。
エンツォフェラーリもよく似ている。今でもあるけど汚いチームオーダーとか如何にもな感じで、上級副社長なんてその場にいたらぶん殴りたくなる位良い演技だった。それにしても解せないのはケン・マイルズの描写。映画の描写だけ見るとストイックなレース好き車好きなだけであの程度でレース下ろされる程の変人には見えない。そこまでフォードに嫌われる理由がよく分からない。現実にはもっと困ったドライバーやメカニックなんていくらでもいるのに。演出が弱いのかフォードがかなり官僚的で偏屈(これはよく表現できていた)だからか。いずれにしろ映画的に少し説得力が弱かった。
タイトルに違和感
見応えありましたが、開発チームが外注スタッフ(違った?)ばかりだし、社長も含めて重役陣はバカみたいな描かれようだし、なんかフォードが勝った!って感じじゃなかったなぁ。
フェラーリの方がよっぽど自分達の車に誇りを持ってる感じで応援したくなりましたよ。
タイトル、7000rpmとかの方が良かったんじや?
なかなかの迫力でした!
7000回転の世界❗️ラストの大どんでん返し!悲しい結末!
メカニックな話は殆ど無く…
気持ちよさ
良くある、それ要る?っていう恋愛要素の無さと速いカット割で気持ち良く観られた。
ひとつのプロジェクトを皆がちょっと高揚しながら作り上げていくワクワク感と、モータースポーツ特有の命がかかった緊張感、悪役の本気でムカつけるクズっぷり。
主役二人の演技も観る価値があると思えた。
特にクリスチャンベイルの画になり具合は他の役者さん達とちょっと桁違いだなぁと今作でも感じる。飄飄とかわしたい気持ちの裏の憤りまで無表情の中の目で伝わるくらい。
クリスチャンベイルと並んで演技できる子ども役のノア・ジュプの真っ直ぐさも良かった。
好きなシーンは、ケンが残業を建前にラジオでレースの様子を聴くシーン(奥さん邪魔するなよと思ったけど、そこでちゃんと踊るケンにもグッとくる)と、
24時間レースを追うフェラーリ社長のプライドの高さが主人公2人と並ぶくらいカッコ良かった。
コーフンもの、クリスチャン・ベールかっこいい
実際は5〜6年かかった話を主要なポイントをギュッと絞り込み、レースを取り巻く男たちのぶつかり合い、マシンをチューニングしていく過程、実写でのレースシーンがリアルに味濃く描かれています。
また個人的には音の作り込みが気に入っており、シェルビーの赤のポルシェ356、MG1500、フェラーリとフォードGTの排気音の違いは映画館でよくわかります。
物語は単純にカーメーカーのぶつかり合いと見るよりも、レースマシンの制作方法に着目して見ていくと、メーカー両者の違い、シェルビー、マイルズ、アイアコッカなどの立場がわかりやすいとおもいます。
フェラーリはスポーツカーメーカーとして会社をあげてのワークスの取り組み。
一方、フォードはレースで勝てるマシンを作る能力がないため、カスタムカーの製作を手掛けるほぼ町工場のCOBRAに資金を出し、ほぼプライベートチームでフォードのワークスマシンを作るもの。
優れた技術提供があれば金を出すし、口は当然出すというM&Aに近いスタンスで正にアメリカンビジネスって感じです。
フェラーリもこの辺が気に入らなかったのでしょう。
印象的なシーンとして、何度かあるクリスチャン・ベールがサンドイッチを頬張るシーンは、マイルズの立場を象徴していますし、カッコいい。
車に詳しくなくとも興奮する作品
車やレースに詳しくなくても、いかに限界を攻め極限で戦っていることを感じることができ、まさにハラハラと興奮を味わえる。レースのときの映像や音声の臨場感が凄く手に汗握る。
シェルビーとマイルズの2人の主人公を中心とした人間関係も面白い。それぞれの葛藤や苦悩もありながら、レースでの勝利を掴み取る姿には感動。
マイルズは最初はなんて自己中心的なんだと思ったが、あんなにも純粋な心を持ち、家族愛に溢れた男はなかなかいない。
とても面白かったです。IMAXでみたらもっと興奮したかも。
コーラ飲みながら観てください
爽やかな感動を覚える
ル・マンはあまり見なかったが、F1レースは時々テレビで見た。プロスト、セナ、マンセル、シューマッハなどが活躍していた頃だ。数日前に観た「男はつらいよ お帰り寅さん」の後藤久美子を見て、ジャン・アレジも活躍していたことを思い出した。
イモラ・サーキットでのセナの事故を最後にあまりF1レースを見なくなった。セナはやたらに後続車をブロックするのであまり好きなドライバーではなかったが、それでも事故は気の毒だった。その後はフェラーリが全盛期となり、どうも毎年のレギュレーションがフェラーリに都合よく変えられているように思えて、急速にF1に対する興味を失ってしまった。
F1中継は遠いカメラから俯瞰して望遠で映すので、あまりスピードを感じないが、オンボードカメラの映像はかなりの迫力があり、特にテールトゥノーズの場面はスリリングで興奮したことを憶えている。レースは直線のスピード比べとコーナーのブレーキング競争が醍醐味で、本作品にもその辺のシーンがたくさんある。映画は好きなように撮影できるから、本作品の映像ではF1のオンボードカメラを遥かに凌ぐ臨場感と緊迫感を味わえた。
マット・デイモンは、ロバート・ラドラム原作の「暗殺者」のジェイソン・ボーンを演じたときの切れ味鋭いアクションのおかげでアクション俳優という印象もあるが、セシル・ド・フランスと共演した「ヒア・アフター」(クリント・イーストウッド監督)やスカーレット・ヨハンソンと共演した「We bought a zoo」(邦題「幸せへのキセキ」キャメロン・クロウ監督)では、情緒豊かで思いやりのある役柄を演じ、演技派の俳優として認められたと思う。そして「サバービコン 仮面をかぶった街」(ジョージ・クルーニー監督)では、表面を飾った利己主義者をケレン味たっぷりに演じてみせた。
本作品では優しさ溢れる熱血漢キャロル・シェルビーを演じ、ときにいたずらっ子のような側面も見せて、非常に魅力的なキャラクターの主人公を作り上げた。もうなんでもできる役者である。ダブル主演のクリスチャン・ベールも、3歳時のわがままさと素直さとひたむきさを残しながら中年になったようなマイルズを存分に演じた。
作品の構図は、自動車の能力向上とその証としてのレースでの勝利を目指す純粋な男たちと、利益第一の資本家の力関係である。フェラーリはF1でオフィシャルに圧力をかけたが、昔からそういう会社であったことがわかる。フォードはアメリカらしく大量生産の会社だが、自動車は精密な機械だ。少なくともエンジニアは大雑把ではない。
自動車は人を載せてある程度以上のスピードで走る輸送の道具である。当然ながら安全が第一だ。F1マシンのコックピットは相当に頑丈に作られていてドライバーを守る。それでもセナの事故は起きた。自動車レースは常に危険と隣り合わせなのだ。
本作品のレース映像は屈指の迫力である。それは主にカメラの位置の低さによるものだとは思うが、事故が起きないかとハラハラする気持ちも手伝って、手に汗握りながら観ることになる。おかげで153分の上映時間があっという間だ。むしろ短く感じるくらいである。
キャロル・シェルビーの演説のシーンに、10歳の頃になりたかった職業に就くことができるのは一握りの幸運な人々であり、幸いなことに自分もそのひとりだという言葉があった。まさにその通りであるが、そのためには多くの障害を乗り越え、多くの妥協もしなければならない。
本作品は二人のレーサー兼エンジニアの生き方に人生の真実を投影する。彼らは自動車の発展に寄与し、人々にレース観戦の楽しみを提供してきた。失うものも多かった二人だが、得るものも多かった。人を恨まず、状況を受け入れて真っ直ぐに努力した彼らの生き方に、爽やかな感動を覚えたのであった。
フォード vs シェルビー&マイルズ
冒頭から迫力のレースシーンで、IMAXを選ばなかったことを早くも後悔しましたが、評判どおりとてもおもしろかったです!序盤から登場人物が多くて置いて行かれそうになりましたが、主要人物はここで出揃い、ほどなく関係性もわかったので問題ありませんでした。物語は、フェラーリの買収に失敗したフォードが、レースでその雪辱を果たすまでが描かれます。よって、タイトルはフォードvsフェラーリ。しかし、実際には、フェラーリと戦う前のフォードチーム内での争いが大きく描かれていて、本当の敵はフェラーリではなくフォード!そのフォード内で男たちの意地とプライドが激しくぶつかり合うのが、実におもしろかったです。
映像的には懐かしのGT40が登場するあたりから、テンションが一気に上がります。幾度となく繰り返されるテストラン、微調整、再設計を通して描かれる、ひたすら速さを追求する男たちの生き様が本当にかっこよかったです。そんな彼らの魂の結晶のようなマシンが轟音とともに疾走する姿に惚れ惚れとしました。と同時に、小刻みに震えるメーターや激しく振動するマシンから伝わってくる、一瞬のミスも許されないコックピットのビリビリとした緊張感がたまりませんでした。一方で、クラッシュシーンも何度か描かれていて、その度に体がビクついてしまいました。観客は、助手席にでも座らされているかのような疾走感と高揚感と恐怖感を味わえること請け合いです。
そんな命を削るような戦いに挑むマイルズをクリスャン・ベールが好演しています。そして、マイルズを支えるのは、ともに打倒フェラーリを目ざす、マット・デイモン演じるシェルビー。マイルズとシェルビー、そのどちらか一人でもいなければ、フォードの偉業は成し遂げられなかったでしょう。でも、シェルビー以上にマイルズを支えたのは、夢を追う夫を信じて見守り続ける妻モリーと、父に尊敬と憧れの視線を送り続ける息子ピーター。こんな素敵な家族に支えられたら、やるしかないでしょ!
そして迎えたル・マン。スタート早々アクシデントに見舞われるも、エンジンを限界まで回し、コーナーを極限まで攻めるマイルズの魂の走りに目が釘付けでした。しかし、やはりここでも敵はフェラーリではなくフォード!レースの詳細はぜひ自身の目で確かめてほしいです。自分は、さまざまな思いで目頭が熱くなりました。
冒頭のスタートダッシュに始まり、企業間競争、チーム内抗争、挫折と家族の支え、デイトナ、ル・マン、エピローグと、みごとなペース配分で走りきった本作に対し、観客の誰もがチェッカーフラッグを振りまくったことと思います。
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