「勝利に向かうチームを丁寧に描いたシンプルな作りに好感を覚え、かなり感動もさせられた。」フォードvsフェラーリ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
勝利に向かうチームを丁寧に描いたシンプルな作りに好感を覚え、かなり感動もさせられた。
ジェームズ・マンゴールド 監督による2019年製作(153分/G)のアメリカ映画。
原題:Ford v Ferrari、配給:ディズニー、劇場公開日:2020年1月10日。
1966年ル・マン24時間耐久レースで王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いていた。その中心として、チームを率いたのがキャロル・シェルビー(マット・デイモン)。そして彼のシェルビー・アメリカンの中核テストドライバー兼テクニカル・アドバイザーがバーケン・マイルズ。彼を演じたクリスチャン・ベール造形の偏屈なプロフェッショナルな人間像に、大きく惹かれた。大きな変革的勝利の裏には、確かにこういう人間の存在があるなと納得。
ルマン勝利後の約2ヶ月後のテスト走行で事故死してしまって驚かされたが、これは事実の様。映画でも描写されていたが、それだけ車の能力を限界まで試してみるテストドライバーであったということか。
後に社長隣経営者として有名になるリー・アイアコッカ(ジョン・バーンサル)はチームをアシストしてくれるが、社副社長のレオ・ビーブ(ジョシュ・ルーカス)はご都合主義の営業重視で無理難題を押し付ける憎まれ役。現場vs管理者の戦いの典型を見せてくれた訳だが、自分の身近な世界でも起きていたことで、上手いストーリーだなと唸らされた。
全体的に、勝利に向かっての余分なものを削ぎ落としたたシンプルな作りに、好感を覚え、かなり感動もさせられた。
監督ジェームズ・マンゴールド、製作ピーター・チャーニン ジェンノ・トッピング ジェームズ・マンゴールド、製作総指揮ケビン・ハローラン 、ダニ・バーンフェルド、 マイケル・マン、脚本ジェズ・バターワース、 ジョン=ヘンリー・バターワース、 ジェイソン・ケラー、撮影フェドン・パパマイケル、美術フランソワ・オデュイ、衣装ダニエル・オーランディ、編集マイケル・マカスカー 、アンドリュー・バックランド、音楽マルコ・ベルト、ラミ バック・サンダース、視覚効果監修オリバー・デュモント。キャスティングロンナ・クレス。
出演
キャロル・シェルビーマット・デイモン、ケン・マイルズクリスチャン・ベール、リー・アイアコッカジョン・バーンサル、モリー・マイルズカトリーナ・バルフ、ヘンリー・フォード2世トレイシー・レッツ、レオ・ビーブジョシュ・ルーカス、ピーター・マイルズノア・ジュプ、エンツォ・フェラーリレモ・ジローネ、レイ・マッキノン、J・J・フィールド、ジャック・マクマレン。