「下町ロケットの車版のような話」フォードvsフェラーリ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
下町ロケットの車版のような話
ル・マン24時間耐久レースは1923年(大正12年)からの歴史あるレースなのでエピソードも多く本作のフェラーリとフォードの因縁の対決もその一つです。
スティーブ・マックイーンの「栄光のル・マン(1971)」はポルシェVSフェラーリでしたね。
F1のホンダほどではありませんが日本車はマツダのロータリーエンジン車が1991年に初優勝しプロジェクトXやカーグラフィックTVなどでも取り上げられました、現在でもトヨタ車が健闘しているので馴染みな人も多いレースでしょう。
マット・ディモン演ずるキャロル・シェルビーはル・マン優勝のドライバーですが引退後は劇中でも出てきたモンスターマシンのコブラのファクトリーでもあります。
フォードGT40はルマンに参戦するも2連敗、挽回策に頼ったのがシェルビーでした。設計改良し戦える車に仕上げたのはシェルビーとマイルズコンビでしたから実質はシェルビーVSフェラーリ、下町ロケットの車版のような話でした。
ドライバーのケン・マイルズは当時46歳だからレーサーとしては遅咲き、自身もスポーツカーの修理工場を営んでいたからメカにも精通しているのでフィードバックが適切で改良に活かされたことが優勝に貢献しています。
些細な距離の差でチームメイトのマクラーレンに優勝を譲り、レースの2か月後に事故死ですからリベンジならず残念でした。劇中では奥さんの方が飛ばし屋でプロのレーサーの旦那の方が怯えるくだりは笑えました、プロだからこそ怖さを知っているのかも知れませんね。
フォードは1969年まで4連覇し撤退。ドライバーのブルース・マクラーレンはF1で有名なあのレーシング・チームの創立者です。
ケン・マイルズの息子のピーターは腕のいい整備士になったそうです。