「これを見たあと車の運転をしてはいけない」フォードvsフェラーリ KIDO LOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)
これを見たあと車の運転をしてはいけない
ストーリーの内容はフォード VS フェラーリではなくフォードの中のドラマを描いた映画だった。 フェラーリと戦うとかフェラーリを倒したいという気持ちはあまり伝わってこなかった。
私のいい加減な記憶では、歴史的事実としては中小企業でも技術で秀でていたフェラーリに対し、フォードが経済力に物を言わせた下品で馬鹿でかいエンジン作り 勝利したという認識だった。映画ではそこのところがうまく押さえられていてというかそこのところはドラマに組み込まずカットしてあった。そしてラストの方でビジネス事情がたくさん出てきてそこら辺に現実味があり歴史的事実にシンクロする部分があり脚本的にうまい処理だと思った。
そしてまた改めて映画はやっぱりクライマックスだなと思った。正直クライマックスに入るまではさほど面白い映画じゃなかった。しかしクライマックスに入るとカーレースの迫力が満点でエキサイティングして見れた。また脚本に工夫があり、と言うから多分事実に基づいて書いたと思うのだが クライマックスが二段構成になっていて尺が長く見ごたえがあった。ここんところがこの映画の一番の成功のポイントになったと思う。クライマックス以降は私個人としてはもう少しサクッと終わって欲しかった。全体に名作劇場的なテイストがありちょっとそこのことは私は好きじゃなかった。
この 映画はフィルムで撮られておりフイルム撮影の美しさを堪能できた。
映画監督よ、映画はフィルムで撮れ。
そして、考えてみるとカーレースの映画って今まで見たことがないような気がした。このように面白いカーレースの映画ができてとても良かったと思った。