「車好きじゃなくても」フォードvsフェラーリ はやおさんの映画レビュー(感想・評価)
車好きじゃなくても
これまで、車関連の映画はあまり好んで観たことがなかった。アクション映画でカーチェイスシーンがきても、早く終われと思ってばかりで、ワイスピは一作目と三作目しか観たことがない。第一、箱に車輪がついたような機械が動くことがそんなに楽しいのかという考えが根底にはあった。
しかし、車を愛する男たちの物語を描く本作品は、そんな私の考えを改めさせてくれた。速い車を開発するための努力や、走りながら車と対話するかのようなレーサーの繊細さ、クリスチャン·ベイル演じるひねくれ者でありながら車愛の強い主人公にはかなり引き込まれた。車が走るという単純な動作にも、あらゆる知恵や知識が集結していて、複雑で興味深い過程があることを身をもって感じることができた。ちなみに劇中専門用語がよく出るが、分からなくても鑑賞に差し支えない程度だった。
レースシーンは圧巻だった。レースのスピード感、迫力は映像内でも充分伝わる。IMAXだったのでサウンドはうるさいぐらいだったが、不思議と不快感はなく、車のエンジン音にエキサイトするばかりだった。
加えて、彼らを取り巻く企業間の対立や思惑が絡んでくるため、単なる熱いスポーツものとは違う楽しみも本作にはある。ビジネスとしても、白熱したバトルに巻き込まれる主人公たち。そんな中、彼らがレースとどう向き合うのかが劇中で重要な鍵となり、エンディングにつながってくるので、要注目だ。
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