「時代背景も面白い」フォードvsフェラーリ Flagmanさんの映画レビュー(感想・評価)
時代背景も面白い
フォードと言えばGT40もしくはマスタング。
車好きなら誰もが憧れる車では無いでしょうか?
僕もそんな中の1人ではありますが、恥ずかしながらGT40の誕生秘話までは知りませんでした。
まず基本事実に基づいたストーリーでしょうが、どこまでが実話かは曖昧ですが、エンタメとしての着色の仕方が良かった。
実話ベースなので、なんの捻りもない真っ直ぐなストーリーですが、カメラワークや効果音、レース中の演出など、映画でしか味わえない魅力に溢れていた。
時代背景が1966年と言う事で、世界でのアメリカの立ち位置、第二次世界大戦後の冷戦、ソ連に世界初の宇宙友人飛行に敗れ、大国でありながら色々なコンプレックを背負っていた時代。
そんな中アメリカが誇るフォードであのルマンで勝つと豪語したのです。
当時アメリカ人は息を飲んで注目した事でしょう。
シェルビーコブラの生みの親、シェルビーのフォード社長とマイルズ間に挟まれる葛藤や交渉術、なかなか見応えがありました。
タイトルはvsフェラーリとなっていますが、あくまでもそれはレースで倒すべき相手。本当の敵はフォード上層部。
開発部門と対会社と言うのは、時代やジャンルは違えど、現代でも同じです。
スターウォーズEP9のエイブラムスvsディズニーもその例でしょう。
造りたい物が作れない。
会社の宣伝やイメージに反する事はしてはいけない。
一見カーレース映画と思いきや蓋を開ければ社会派なコンセプトを持った映画でした。
レースシーンは迫力がありCGを使わないその空気感と緊張感は素晴らしかった。
ただ悪いとはいいませんが、主役のクリスチャンベールは少しハマってなかったかな??
いや、本人に似ているのですが、仕草や姿勢が主役らしくないと言うか変な癖があった様な気がします。
クリスチャンベールは大好きですけどね。
どちらかと言うとシェルビーに感情が入ってしまいます。
でもそのくらいでしょうか?
素晴らしい作品でした。
間違いなく名作かと思います。
もちろん車に興味が無い方でも色々な人物からの目線で楽しめるはずです。
かなりお勧めします。