劇場公開日 2020年1月10日

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「レースシーンの本物感と男の友情を軸にしたドラマの妙」フォードvsフェラーリ アンディ・ロビンソンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0レースシーンの本物感と男の友情を軸にしたドラマの妙

2020年2月2日
iPhoneアプリから投稿

今回、早期から何度も予告編を観て久々の本格的なレース絡みの映画として期待しての鑑賞だったので、気合いを入れて最大級画面のグランドサンシャインを選んで公開週末に早速足を運んだ。

その昔、今や伝説となってしまった劇場「テアトル東京」のシネラマ・スクリーンで『グランプリ』を観た。
それから暫くしてマックィーンの『栄光のルマン』も劇場で、パチーノの『ボビー・デアフィールド』も旧丸の内ピカデリーで観て、残念ながらニューマンの『レーサー』だけはテレビ放映時だった。

今回の作品も、それらに負けず劣らず、期待を裏切られる事は無かった。

レースシーンの撮影には特に、前述の『グランプリ』と『栄光のルマン』のカメラワークや画角等が参考にされたとの事。
それがレースの臨場感や迫力に大いに貢献している事がわかる気がした。
それに、『栄光のルマン』の時代から、すっかり変わってしまっていてそのままでは使えないル・マンのコースを撮影用にほぼ完全再現して敢行されたという拘りに感動というか脱帽というか.....

出演陣も皆良い感じで好感を持てたのは勿論だが、なんと言ってもクリスチャン・ベールの素晴らしさに打たれた。

レース・シーンの本物感と、このクリスチャン・ベールとマット・デイモンの二人の男の友情を軸にしたドラマ部分の良さが(感動が)絶妙なバランスで描かれており、それがこの映画を一段上の作品にしていると思った。

今回のアカデミー賞の主演男優賞ノミネートを見て、なぜクリスチャン・ベールが入っていなかったのか?、それがとても不思議に思えてなりませんね。

アンディ・ロビンソン