劇場公開日 2020年1月10日

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「アカデミー編集賞、音響編集賞の2部門受賞も納得の迫力。」フォードvsフェラーリ yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アカデミー編集賞、音響編集賞の2部門受賞も納得の迫力。

2020年1月30日
PCから投稿

第92回アカデミー授賞式終了後のレビューです。
本作は編集賞、音響編集賞の2部門を受賞しました。

実際の車両を使って撮影したレース、クラッシュシーンの迫力をスクリーンで体感すれば、この2部門の受賞には納得の一言です。同じく迫力ある映像と音響を特色とする『1917』と競り、『1917』は録音賞(と撮影賞、視覚効果賞)を受賞しています。これは恐らく、『1917』が撮影時の音の取り込みが重視された一方で、本作は現場の音に、当時の車両のエンジン音を取り入れるといった加工の見事さが受賞に繋がったのだろうと想像します。

それにしても当時のレースドライバーは、現在ほど頭部の保護力が十分ではないヘルメット(フルフェイスですらない)のみで身を守り、パワーステアリングもないのに時速200キロメートルを超える速度でレースを展開していたとは。しかもシートベルトも締めないドライバーまでいたとか…(当時はその方が火災事故の際の生存率が高まると考えられていた)。にわかには信じがたいですが、当時のレースの死傷率が現在と比較して極めて高かったことを考えると納得です。

主役のシェルビーとマイルズの関係性の描写が実際とはやや異なるとか、車両開発に携わっていたフォード社の多くのエンジニアに脚光が当たっていないとか、映画として脚色する上での齟齬を指摘する声もありますが、これはレースを通じた二人の男の人間ドラマとして作る上で仕方のない部分でもありますし、全体的な完成度を損なう程ではありませんでした。

本作は間違いなく、劇場の大スクリーンで観るべき映画でしょう。ただ4DXは死ぬかも笑

yui