「男の戦い」フォードvsフェラーリ しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
男の戦い
Dolby-CINEMAで鑑賞(字幕)。
ル・マンの絶対王者、フェラーリを打ち負かせ!
困難なミッションに夢と情熱、不屈の闘志で立ち向かった男たちの真実の物語とあってはたぎらないわけが無い!
フォード社長の特命を受けて、カーデザイナー、キャロル・シェルビーと凄腕レーサー、ケン・マイルズがタッグを組んで勝てる車づくりからスタート。試行錯誤の末、完成したマシンを引っ提げ、後はレースに臨むだけのはずでしたが…
タイトルは「フォードvsフェラーリ」ですが、敵はフェラーリだけじゃなかった!―味方のフォード内部からまさかの横槍が…。レースに勝つだけでは意味が無く、レースに勝った後どれだけ自社の自動車が売れるかが大事だ、と…
ふたりの前に大企業の論理が立ちはだかりました。
レースに挑む者たちとフォード首脳陣の間にはモータースポーツに関しての認識に明らかな相違がありました。片や純粋な勝利のため、片や宣伝広告のためにレースを戦おうとする…
己の信念と大企業の思惑の狭間で苦しみながら、ル・マンでの栄光を手にするための戦いへ挑まざるを得ない状況となったマイルズとシェルビー。なんと世知辛いのだろうか…
企業イメージに合わないからと、一度はドライバーから外されてしまったマイルズでしたが、シェルビーの捨て身の活躍によって見事復帰!―シェルビーが社長に直談判するシーン、ハラハラさせられましたがめっちゃカッコ良かったです。
シェルビーとマイルズには友情が芽生えていました。
互いを支え合う男同士の熱い絆に心揺さぶられました。
目標へ一心不乱に突き進むことの素晴らしさ!―様々な困難を乗り越え、いざル・マンでフェラーリとの直接対決へ!
しかしこの場においても横槍が入り、「レーシングチームvsフォード上層部」の戦いも最終局面を迎えることに…
迫力のレース・シーンに手に汗握りました!
Dolby-ATOMSのお陰で劇場がサーキットに…!
レースのスピード感、ダイナミックさに大興奮、24時間耐久レースの過酷さ―悪天候だろうがなんだろうが、技術力とドライバーの忍耐の限界に挑む様に息を呑みました。
両社のマシンがデッドヒートを繰り広げるシーンは、まさに「フォードvsフェラーリ」でした。心の中で声援を送っていました。応援上映って、開催してくれないのかな?
様々な思惑に翻弄されたふたりが展開した「男の戦い」にしびれました。最終的には苦渋を味わわされましたが、それでも勝ったのは紛れも無くマイルズとシェルビーだな、と…
上役の不条理が現場に混乱を齎すことへの不満は、サラリーマンならば誰もが共感することじゃないかと思いました。
順調だったものがペースダウンしたり、現場から反感を買ってしまったり…。板挟みになって悩んだこともあった…
大いなる力の前に屈するのか、己を貫き通すのか?
後者はかなりの困難を伴うのが世の常ですが、結局は自分の判断かと…。様々な制約の中で何を成し遂げ、誇りを失わずにいられるか…。これに尽きるのではないかと思いました。
[余談1]
本作をもって20世紀フォックスのロゴは見納め…
慣れ親しんだファンファーレとサーチライトの動き、まるでピラミッドのような佇まいの20th CENTURY FOX…
でも寂しくない。何故なら、「エイリアン」、「ダイ・ハード」、「タイタニック」、「ボヘミアン・ラプソディ」…
数々の名作たちと共に永遠に残り続けるから…
[余談2]
2020年、初っ端から名作揃いじゃないか!
こんなに飛ばして大丈夫でしょうか!?
本作のカーレースも凄かったですが、アカデミー賞などの賞レースの方も映画ファンとしてはめちゃくちゃ気になるところであります。本作も賞レースを戦っております。
対抗馬も素晴らしい作品ばかりで甲乙つけがたく、これまでのお気に入りは「ジョーカー」でしたが、心変わりしてしまいました。作品賞は是非とも本作に下さいませ!
※追記(2020/2/10)
アカデミー賞編集賞・音響編集賞受賞!
作品賞を逃してしまったのが悔やまれますが、このふたつを受賞したことはめちゃくちゃ納得でございます。
劇場をサーキットに変える疾走感溢れる映像と巧みな音響設計、絶品でございました。IMAXなどのラージ・フォーマットでも、そのスペックは遺憾無く発揮されていたようで…
本当におめでとうございます!
※鑑賞記録
2020/04/11:Amazon Prime Video(レンタル・字幕)
※修正(2022/09/18)
ええ!?っと思いググると〜
>今後もおなじみのファンファ-レやサ-チライトの演出は残るが、社名ロゴは一新されるということだ。などとありました😧ヘ〜
映画の最初に色んな種類のロゴを見ますが、これは未来に見てもダサくないデザインや演出🏹だろうかといつも勝手に審査しがち🧐ウ~ム
kossyさんへ。
コメントありがとうございます。
「パラサイト」も好きなんですけど、やっぱり本作で!(笑) 「1917」はマジで気になってます…(笑)
bionさんへ。
コメントありがとうございます。
Dolby-CINEMAは、Dolby-VISIONとDolby-ATOMSの相乗効果が抜群です! ちゃんと比較した訳でありませんが、IMAXよりかなり高精彩な気がします。壁全体がスピーカーになっているので、サウンドが場面に合わせて適切な方向から聴こえて来るんです。本作で言うと、レース・シーンのときに爆音が文字通りシアター内を駆け巡りました。
下手くそな文章で申し訳ありません。別にDolbyの手先ではありませんが、ちょっとでもDolby-CINEMAの魅力が伝われば幸いです…。