劇場公開日 2020年1月10日

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「カーレースは熱い!」フォードvsフェラーリ さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5カーレースは熱い!

2020年1月23日
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ル・マン、めっちゃ熱い!
けど俺の心もカーレースのように熱くなりたかった...

今年の映画鑑賞初めはこちらの映画になります!

確かに面白かったです!
ただ、周りがこの映画に絶賛しています中で個人的には絶賛とまでいきませんでした。

フランスで行われる24時間の耐久レース、「ル・マン」にアメリカの自動車メーカー「フォード」が挑む60年代の実話を描いた物語。

まずは好きだった点からです。

カーレースを題材にしているだけあって、カーレースのシーンは物凄いです!!
去年観た邦画の「Over drive」は音響は良かったものの、カメラワークに拘って無かったので物足りなかったのですが、この映画は違いました!
もうレーシングカーを猛スピードで追いかける視点だけじゃなく、レーサーの視点でのショットもあります。その迫力に圧倒されると同時にリアル過ぎて怖かったです(笑)
特にル・マンでの夜の雨のレースシーンは前が見えづらいなか走っていたので怖かったし、レーサーのクリスチャン・ベールも凄いなぁと感心しました。

そして、レーシングカーのクラッシュシーンもCGではなく実写で再現しているのでそこも凄いですし、殆ど実写撮影に拘ったところを非常に評価したいです。

キャラクターで一番好きなのはクリスチャン・ベール演じるケン・マイルズです。
実在のレーサーらしいのですが、この映画において一番登場人物として愛着もありましたし、演技も素晴らしいです。
彼の車の欠陥などを見事に指摘しながら口が悪く容赦ないところもありつつ、レーサーとして素晴らしい実力を持つ上に家族思いな姿に惹かれました。

そして、彼の実力が素晴らしいというのは劇中でマット・デイモン含めた殆どの人が言っていますが、それをレースシーンでもそれを証明する場面も多いので、「本当に彼は素晴らしいレーサーなんだ」とちゃんと確認することが出来ました。

その他、音響も素晴らしいし、マット・デイモン含めた俳優の演技も比較的良かったです。

...ただ、自分はこの映画に素直に絶賛出来ません。
完成度が高い映画なのにどこかノイズを感じてしまいました。

恐らく、この映画のタイトルにある「フォードvsフェラーリ」にあります。

実際、フォードとフェラーリはル・マンで激突するのですが、それは終盤のみです。
そもそもこの映画の始まりはフォードがフェラーリに買収をしようとするも、フォードは乗用車だけしか作れないとバカにされたことがきっかけでレーシングカーに投資するのですが、その後はライバル企業であるフェラーリはル・マンしか出てきません。
もっとフェラーリとの対立が描かれるのかと思っていたのですが...

自分が史実を知らないままこの映画を観賞したことが原因だと思うのですが、フォードとフェラーリの対決を期待してしまった自分は物足りなく感じてしまいました。

また、この映画は2時間半を費やしてフォードのサクセスストーリーを描いていくのですが、この上映時間にしてはあんまり愛着を持てる登場人物がいませんでした。
マット・デイモン演じるキャロル・シェルビーというカーデザイナーも実在の人物というのは理解しましたが、何かこう彼の車に対する情熱だったり彼がどういう人物なのかがいまいち解らないまま映画が終わってしまいました。

あと、この映画の結末に関してです。
とある人物のかなり重要なイベントが発生するのですが、そこの描きかたがあっさりし過ぎてそこもガッカリした点です。

感想をまとめると、総じて面白いけど違和感のある部分が多かったために絶賛するほどでは無かったです。

個人的には観る前はこの映画を「傑作です!」と声を上げて豪語する予定だったのですが、現実はそう上手くいかないものですね(^_^;)

さうすぽー。