「いい奴ほど早く逝く。」フォードvsフェラーリ ネイモアさんの映画レビュー(感想・評価)
いい奴ほど早く逝く。
クリスチャン・ベイル演じるマイルズのキャラが個人的にすごく良かった。
優秀なドライバーだが、"扱いづらい"ことで有名。又の名を "ブルドッグ"
フェラーリは全機リタイアし、フォードの勝利がほぼ確定してもなお、エンジンとブレーキの磨耗を顧みずスピードに飢え、自己ベストを更新し続けてみせた。
ー7000回転の世界
速さのあまり重力が消失
残った感覚は自分の体だけー
極度の興奮状態で本能むき出しの状態にある彼が最後に下したのは、"チームプレイ"という理性的な選択だった。
さらに3台同時ゴールで同率一位を飾ることで、マイルズは同年に三冠を達成し伝説になるという約束だったが、それが口車に乗せられただけだとわかった時、彼は怒りに身を任せることはなかった。
また来年がある、さあ忙しくなる、改善の余地はたっぷりある、と。
そうですね、ワンハリも史実とは違った作品に仕上がっていますよね。
そういう映画は私のような世代ではない人達が間違って解釈してしまうリスクがあると思います。
ですが、あえてこういうラストで作ったのは、あれほど本能的で破天荒だったジェルビーがまさにその絶頂を迎えた時でも理性的になれるよつになった、という成長を描くためだったんじゃないかなと私は思いました。
ネタバレすると最後のゴールは史実と微妙に違う。三台同時ゴールでは無く少しずれているんだよね。二位の理由は正にそこでスタート位置の問題じゃない。
フォードは怒って同時ゴールにしろと言った様だが認められないわな…
最初からケン・マイルズ先頭で三台続けてゴールすれば良かった。面白い試みとは思うがフォードはやり過ぎた。ルールはよく読まないと(シェルビー談)。