「同志たちの目配せ」フォードvsフェラーリ キッスで殺せ!さんの映画レビュー(感想・評価)
同志たちの目配せ
薄暮時の黄昏色に染まった風景の中で、自分たちの矜持を守るための闘いをしながらも、何となく敗北を運命付けられたようなはぐれ者たちが、遠くを見遣るようなシーンの数々が美しい。時に夫を見守り、時にチームクルーのズルを見逃し、カーレースの伝説的人物からは敬礼にも似た眼差を受ける、そんな遠い距離感を持った視線の交錯の演出も、ハリウッドの古典的な西部劇のように素晴らしかった。脇を固めるキャスト陣たちも素晴らしく、2時間30分の長尺ながら、いつまでも見ていたいと思う。小道具としてのハンマーの伏線回収演出も秀逸!
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