「エンジンがかかるたび、低く震える座席」フォードvsフェラーリ ふじたにさんの映画レビュー(感想・評価)
エンジンがかかるたび、低く震える座席
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4DXで見ました。
ひたむきに、命さえかけて真剣に、勝利だけを求めて研鑽している人達が、なんで権力欲の強い自分の面子のことしか考えてないような薄ら馬鹿に邪魔されないといけないんだよ〜畜生!!な〜にが同時ゴールすればいい宣伝になるだ、なにもなかったところに一から積み上げて、どんな偉業をなしつつあるのか見てきたくせに、どうして敬意を払えないんだ…。という気持ちになった。フォードはフェラーリに勝ったけれど、カタルシスはあまりなく悔しさとか無常感がある鑑賞後感だった。
雪辱を果たすため、遥かに勝るライバルを後方から抜き去る…そんな映画を見てフォードを嫌いになるとは思わなかったけれど、いい映画だった。
名誉のために不利なフィールドで戦おうとするフォード2世もよかった(最後には好きになれなかったけど)し、
腕を認め合い、力を寄せ合い高みまで登るマイルズとシェルビー、チームの技術者たちは熱かったし、マイルズを支える奥さんと父を尊敬する息子もよかった。
シェルビーがマイルズのドライビングを見ながら、「まだ、まだだ…今だ」とシンクロするシーンが好き。稀有な才能を持ったひとたちだけがわかりあえる感じが。
映画館で見てよかった作品だと思う。
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