「【7000回転で見えるもの】=究極の運」フォードvsフェラーリ カトソラさんの映画レビュー(感想・評価)
【7000回転で見えるもの】=究極の運
フォードVSフェラーリ
【日本最速IMAXレーザー 2D試写会 12/9】
【IMAX 2D試写会 12/12】
鑑賞日 12/9、12/12
日本最速IMAX試写会の招待を頂いて鑑賞。最初に、トレンディエンジェルのお2人と、「ル・マン24時間耐久レース」に出場経験があり、“ドリフト・キング”の異名でも知られる元レーサーの土屋圭市さんが登壇された。
そこで土屋さんが最初しきりに仰っていた。
「俺は運がいい」と。
きっとそれは今回の映画にまさに言えることだと思う。最後クリスチャン・ベール演じるケン・マイルズが亡くなったのは、「7000回転の先に見えるもの」についに裏切られてしまったからだと僕は考える。
つまり、「7000回転の先に見えるもの」とは、『究極の運での命のやり取り』なのではないだろうかと思う。ケン・マイルズさんにご冥福をお祈りします。
ダークナイト三部作で表向きは礼儀が正しい品のある青年を演じていたクリスチャン・ベールは今作では、気性の荒い頑固なレーサーを演じており、その差もとても面白かった。
マット・デイモンとクリスチャン・ベールの喧嘩や罵りあいやジョークも本当に面白かった。
また、今作はIMAXで絶対見るべきだと思う。腹の底まで車のエンジンの音が響くし、今作1番の見所の迫力のあるレースが大画面で楽しめる。レースのクライマックスで流れる音楽もIMAXのスピーカーで聞けばもっと鳥肌が立つと思う。
レースと映画全体の最後はとても意外性があったし、それも楽しめた。結局ケンはフォード社の命令通りに3台同時ゴールしたのに裏切られ、それをやり直そうと決意をして次のレースへ準備をしていたのに亡くなってしまう……そんな皮肉なラストも今回のアカデミー賞に相応しいのではないかと思う。
1つのカーアクション映画としても、男の友情ドラマとしても、本来レースというものはどういうものなのかを問う映画としても、とても素晴らしいと思う。とてもオススメ。