「記録よりも、記憶に残るヒーロー」フォードvsフェラーリ KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
記録よりも、記憶に残るヒーロー
TOHOシネマズ新宿にて試写会鑑賞。
この作品は実話に基づいた作品の為、モータースポーツや車に詳しい人は結末が分かってしまうのかもしれない。僕は全く詳しくないが、ただただ楽しめた。
アメリカ人初のル・マンチャンピオン、シェルビーは心臓病の理由から優勝を機に選手生活にピリオドを打つ。
引退後は設計士として働く。
一方フォード社はフェラーリの買収に失敗したことに腹を立て、当時絶対無敵だったモータースポーツの王者フェラーリを倒す野望を打ち立てる。そこで最強の車を作るためにシェルビーにオファーを出し、シェルビーは快諾しフォード社の一員となる。
シェルビーは以前から小さなモーターレース大会(あまり車に詳しくない為あってるかわからないが)の時からマルイルズ目をつけていた。その為彼を誘い、彼もまた一員となり最強の車を作るわけだ。
その過程でマイルズがより速い車の開発への力を発揮し、シェルビーは彼をドライバーとしてル・マンへの参加を熱望する。
しかしフォード社は参加、優勝することは広告も兼ねてる為マイルズがドライバーとしての参加は許さない。
そのため一度目は大惨敗する。
翌年もう一度参加を決めるが過去の失敗やシェルビーの助言から今度はマイルズをドライバーとしての参加を認める。
そしてマイルズは力を発揮し優勝の一歩手前までいくのだが、今度はフォード社がマイルズではなく、同じく参加している他のフォード社のドライバーの優勝を企みマイルズを陥れ優勝を逃させる。
これまで破天荒で荒々しいマイルズだったが、状況を把握し最後はシェルビーと握手を交わし翌年の優勝を誓い合う。しかし彼がは翌年の大会に参加する前に練習中に事故でこの世をさることになるわけだ。
この作品はとにかくシェルビーとマイルズのやり取りがとにかく面白い。彼らは勝つことももちろんだが何より車を愛している。車を誰よりも愛してるからこそ追求し、それを結果として残すわけだ。
ただ同時にシェルビー達にとっては頭を悩ますフォード社の存在も面白い。
膨大な資金投資はしてくれるが、やはり一企業のためただの勝利を望んではくれない。あくまでフォード社の存在を世界で一番だというツールに過ぎないわけだ。
そのあたりの葛藤が見ていて惹きつけれる。
最初見る前はフォードカッコいい!!的な映画なのかなと思ったら、全く逆でフォードの愚かさがとにかく分かる。ヒーローとその仲間の友情、会社との葛藤がたのしめるヒューマンドラマで楽しむ事ができた。
鑑賞するならこの作品はIMAXだとより楽しめるのではないか。とにかくエンジン音の臨場感、迫力感がすごい。まるで近くでエンジンがかかったレーシングカーがあったり、乗ってる感覚になる。
劇場公開される来月にはまた観に行きたいと思う。