「ブラピの現状と被る、非常に静謐で内省的な物語」アド・アストラ マエダさんの映画レビュー(感想・評価)
ブラピの現状と被る、非常に静謐で内省的な物語
SFは最もマクロな領域の話であると同時に、非常にミクロな領域の話になりやすい。
タルコフスキーがSF作品を多くとったのも、そういう意味で彼の作家性との相性が非常に良かったからではないか。
結局、静寂で孤独で果てしない闇に包まれた宇宙空間というのは、どうしても人の心理の投影になってしまうからである。
だからゼログラビティしかり、ソラリスしかり、自己の過去との対峙というテーマに行き着く。
宇宙空間は心の鏡なのだ。
今回の主人公は別れた妻のことで未だにウジウジしいる男で、父子の因果の宿命で「地獄の黙示録」的な機密事項を一人抱えた宇宙探査の旅に出る。
これはアンジーとの過去や父という象徴から解放されたい彼が映画という旅でそれを昇華しようとする行為に見えて仕方がない。
というか、絶対にそこらへんで共鳴したろ、ブラピ。
だからかめちゃくちゃ彼の個人的な映画に感じた。
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