バースデー・ワンダーランドのレビュー・感想・評価
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美しい色彩に満ち溢れたパラレルワールド ファンタジー
「カラフル」以来の原恵一アニメ。この人特有の色彩の美しさに目を奪われる(特に異世界の風景の次々に風合いが変わる色使いの見事さ)。そして錬金術士に代表されるキャラクター造形、魅力的な異世界の装飾品にも魅入られる。普通の少女が異世界に引きずり込まれ、様々な経験を経て成長していく物語は良くあるパターンだが、異世界の柵に捕らわれた王子の成長譚も同時に描かれていることが秀逸。ウェス・アンダーソンの「犬が島」や「クボ 二本の弦の秘密」「ぼくの名前はズッキーニ」などの海外のストップモーション・アニメーションも好きだが、日本のアニメは矢張り素晴らしいということを再認識(と思って、チラシを観たらキャラクター造形はロシア出身の方だった。でもそれがこの映画に豊かな風合いをもたらしていると思いました)
誕生日に起こった奇跡!
公開直前ということでスペシャル試写会!
原監督、キャラクターデザインのイリヤ・クブシノブさん、樋口真嗣監督という、豪華キャストを迎えた素晴らしい時間を堪能しました。
映画の裏話や、作画の苦労話などなど、貴重な話を沢山聞けました。
イリヤさんはロシア人で日本人の奥様を持つ、根っからのアニメ好き!
この映画に参加したのも、原監督というビックな存在が理由だったようです。
対する原監督もイリヤさんの作品集を本屋で見て一目惚れしたみたい…。
相思相愛の師弟関係は、作品に出てくるキャラクターに少し似ていて、この映画づくりにも活かされている感じかすごく伝わりました。
監督は本来ファンタジーが苦手なようでしたが、この作品のオファーを受けて、とことんファンタジックに仕上げてしまおうと思ったみたい。
だから、登場する人物も、この作品の世界もかなりぶっ飛んでいました。
猫耳つけたり、うさ耳つけたり、猫と喋ったり、ハエにたかられたり、アニメ萌えな要素もてんこ盛り!
小学生から大人まで、年齢問わずに壮大な世界を堪能できそうです。
中でも、風景や動物の描写は本当に素晴らしかった!
鈴蘭の花の美しさや、水の中を泳ぐ鯉の優雅さなどなど、色の使い方や水の生き生きとした躍動感など、見ているだけで魅了されてしまいそうな世界。
原監督のストーリーに対するこだわりと、イリヤさんの美しい色使いと、美しい女性らしい繊細な作画力が、作品のクオリティをここまで高めていったのだと思います。
まるで自分もこの世界に迷い込んでしまったかのような、夢中になれる異世界の存在感。
中途半端な世界だったら、ここまで世界に入り込むことなんてなかった…!
完成された作品だからこそ、心の底からこの世帯を堪能できたのだと思います。
今回、もう1人の樋口監督が参加している要因も、大きい気がしました。
ファンタジックな世界に所々入ってくる、巨大な効果音!
壁にバキバキと大きな穴を開けながら進む戦車。
これは、樋口監督だからこそ出来上がった部分なのだと思います。
劇団☆新感線のようなロックな音楽も入ってきて、可愛いだけではない、ロックな世界がちょい見えするところも、作品の魅力を引き出しているように思いました。
監督は作品に対して、とことんこだわりを持つドSらしいのですが、そのこだわりを存分に感じられる、素晴らしい作品でした!
アニメーターとして、監督として、これからもとことんこだわりを持ち続けて作品を描いていってほしいです!
最後に…。
私の大好きな杏さんや、麻生久美子さん、松岡茉優ちゃんなどなど、フレッシュ女性が声優を担当されていたことに感激!
元気な女性がどんどん活躍することで、映画の世界もどんどん盛り上がって行って欲しいですね。
今回は、とっても充実した試写会でした。
ありがとうございました(^^)
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