「豊かな色彩が心地よい」バースデー・ワンダーランド P CATさんの映画レビュー(感想・評価)
豊かな色彩が心地よい
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「映像体験」と呼ぶに相応しい色鮮やかな作品。映画館で見る価値がある一本でした。
〇ストーリー
水不足に困る異世界で冒険!敵対する荒くれの首領が実はプレッシャーに耐えかねて逃げ出した王子様だった!何やかんやで和解して儀式も成功!
……ストーリーの完成度は正直微妙。割と淡々と物語は進み、感情移入したりする暇もないままEDを迎える。特にザングが王子へ戻るあたりはもう少し勿体付けても良かったんじゃないかな……と思う程。結構突っ込みどころがあり、ありきたり感も拭えないが、少女の成長物語としてはまぁ及第点かな。母が持ち帰ったであろう同じ柄のタペストリーが出てくるところは、「次に来た時もきっと同じような世界」というヒポクラテスの言に真実味を与えるギミックになっていて良かったと思います。
〇作画
本作一番の見どころ。とにかく色鮮やかで、見ていて楽しく美しい。映画館を出ると現実の味気無さにガッカリするぐらい。人物の書き込みは全体に(どことなく)ジブリっぽい気がする。背景・風景画がとても秀逸で伸びやかな印象。
〇音楽
正直印象には残らなかったが、EDのTHE SHOWは作品の雰囲気によくあっていて良かった。
〇総評
取り立てて素晴らしい作品だったとは思わないが、映画館の大画面で見るべき一本。前の方の座席であふれんばかりの色彩に見とれるのは悪くない体験でした。
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