「想像とは違った」バースデー・ワンダーランド いなさんの映画レビュー(感想・評価)
想像とは違った
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見所はあったと思うが銘打たれたように大人が泣ける内容とは思えなかった。
おそらく最後の王子と二人で雫斬りするシーンが感動させたいポイントだったと思うが、ザングが改心して王子としての責務を果たすまでの流れが急すぎてリアリティを欠き白けた印象を持った。確かにあの場でアカネがかけた言葉は適当だったかもしれない。しかしそれで、井戸を破壊しようとまで目論んだ人のわだかまりが容易く氷解するとはとても思えない。加えて王子が恐れたのは失敗し身を投げなければならなくなることだが、最後に躊躇うことなく身を投げれたのはもはや別人の所業ではないか。180度人格が変わってしまったようで、観ていても強引な進行と思わざるを得なかった。
もちろん原作は児童文学であり執拗に御都合主義を排他しリアリティを求めるのは間違いだと思う。よって「バースデーワンダーランド 」はこの形で良いと思う。しかしある程度フィクションに触れ目の肥えた人間にとっては純然に楽しめない人もいるのではないかと思った。
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