劇場公開日 2019年4月26日

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「こどもには楽しめない?」バースデー・ワンダーランド Masayaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0こどもには楽しめない?

2019年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原恵一監督の主要作品は「クレヨンしんちゃん」から観ています。
宮崎駿監督ほどファンタジーな表現でなく、新海誠監督ほどのリアルさのないサジ加減が個人的には気に入ってます。特に人物の顔の描写は他に似たもののない独創性があって好きです。しかし、作品を追う毎に表情はリアリティーを増し、今回はシャドーの付け方も大きく変わってきているような印象があります。そのせいか今作はファンタジーとしながらもやや現実的な部分が目立ってしまったような思いもしました。
チラシには「おとなも泣ける」とありましたが、この映画は大人にこそ共感され、子供には難解で楽しめないのではないでしょうか?実際、GW期間中であるのに場内はまばらで子供の姿はありませんでした。同時に公開中の「クレヨンしんちゃん/新婚旅行ハリケーン」が母子であふれていたのとは対照的でした。
一人の創造性で作り上げる部分のおおいアニメ作家という人達はどうしてもエゴが強くなり、観客の目線からそれてしまっているのではないでしょうか? 原監督にしても「クレヨンしんちゃん」と言う縛りの中でおとなにも楽しめる作品に作り上げたり、また、「クレヨンしんちゃん」の家族構成をそのままに子供も楽しめながら自分の作品として消化した「河童のクゥと夏休み」という実績があるだけに残念です。。
「アニメ大国」と言われる日本において巨匠と言われる方が、今更「子供相手のアニメ映画が作れるか」との思いもあるでしょうが、現在の日本映画はアニメが実写に寄り、実写がアニメに寄せ過ぎているような気がします。
作画の力を得て素晴らしいファンタジー・アニメとなっていますが、この作品が実写映画としたらおとなは楽しめるのでしょうか?
私の様な「テレビ漫画ばかり観ていると馬鹿になるよ」と言われながらも夢中で観て育ってきた世代にはやはりアニメは子供にも楽しめるものであって欲しいと思います。
最後に、多くの皆さんが指摘するようにキャストは最大のミスだったと思います。

Masaya