エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのレビュー・感想・評価
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まさに映画の神々からの贈り物
「いじましい」とは「取り越し苦労」の意味もありますが「みっともない」の意味もあります。むしろ、みっともないの意味のほうが強いと思います。
たとえば私は映画レビューを書きますが、ときどき手直しすることがあります。これは、おもわずエッチなことを書いたとか、ちょっと熱く語りすぎたとか、事実誤認していたとか、などの理由で読んだ人が引きはしないだろうか、と心配になるからです。ところが、一般人のレビューですから特定の読者がいません。とうぜんレビューを気にする人はいません。にもかかわらず、不安になって更新するのは、完全に自意識過剰のなせるわざです。そんな無益かつ、自分が注目されていると勘違いした行為を「いじましい」と言うのです。
ただし、それは精神衛生上のことでもあるわけで、およそSNS世界では、誰でもやっていること、でもあります。フォロワーの多い人がインスタグラムに載せる写真など、きっと信じられないほど撮り直されているはずです。それには有用性があるのかもしませんが、端から見て「いじましい」と言える行為なのは免れません。
私たちの多くはネット投稿を公表していません。商用ならいざ知らず、個人が匿名でやっているネット投稿やSNSは、自分だけがそれを関知する秘密の気晴らしであったとして、なんの不思議もありません。そこに、どうしても「いじましさ」を脱却できない特質があると思います。
ケイラも、人知れず、ネットで持論を展開しています。あちらのWEBサービスはよく知りませんが、日本より顔出しに抵抗がなく、クラスメイトたちも動画系のネット投稿をやっています。ケイラも、そこでは「最も物静かな中学生」の仮面を脱ぎ去って、元来の奔放な本音を吐露しているわけです。
大人がこの件に共感できるのは、学校時代の「いじましい」自分自身を思い出すから、でもありますが、ネット投稿に起因していることもあります。
たとえば私自身、映画レビューを投稿しておきながら、日常や職場では「映画なんかぜんぜん見てねーわ」みたいな涼しい顔をして生きているのです。連れや友人にも話したことがありません。
自分がいじましいゆえに「いじましさ」に共感できるのです。
タイムカプセルに入っていたビデオレターは「2年後のあなたは人生を楽しんでいますか、友達はできましたか」と過去から尋ねていました。これを見るケイラに去来するのは、徒労感や挫折感ですが、観衆はそこに──この子はずっとコンプレックスと戦ってきたんだ──という称賛をおぼえます。
私も学校時代はたぶん敗者でしたが、同類や居場所を探していただけで、ケイラのように孤軍奮闘してはいませんでした。ましてケイラのように、じぶんのイメージを飛び出そうとしたり、プールパーティーやカラオケに参加したり、勝者なクラスメイトに物申す勇気もありませんでした。
大人になった今も、むしろなおさら、保身から脱却しようなどとは思いません。すると、逐一すべてが中学と高校の狭間にいるケイラより、大人の私のほうが不甲斐なく感じられてしまうのです。もっと抗ってみるべきだという慚愧にとらわれるのです。
映画は多感な少女の過酷な心象をとらえていて、いたいけですが、終局で父と理解しあって、重荷がとけます。
ただ、それ以上に観衆をとらえているのは、おそらく、痛みを知って成長したケイラが、心豊かな大人にならないはずがないという期待です。そのキラキラする将来に心安らぐことで、この映画がものすごく爽やかに見えるのだ、と思いました。
むしろ大人に向けられた映画のように感じられます。何か大いに反省させられるところがありました。見終えて拍手したかった映画です。
何処にでもいる女の子の…
引っ込み思案で要領も良くない。
スタイルだって、スマイルだって自信ない。
お父さんとはよく揉める。
友達の前では無口な娘。
無理やり誘われたホームパーティーに参加して水着で普段の皆と交流する…小太りのケイラが背中を丸めてプールサイドへ一歩踏み出して行くシーンを見ると不安になる。
自信のないケイラが「こう在りたい」と変わろうとする姿は誰もか覚えがある事ではないかと思う。
誰しもが最初からそうではない…SNSに動画をupするケイラはフォロワーこそ少ないが、まぁイケてる(お父さん目線)
気になるエイデンくんにアプローチを掛けるがエイデンはエッチな女の子が好きだから、エッチな自分になろうと苦労したり…。
お洒落な同級生はスマホ片手に顔も見ないで話すシーンとか見てると「ケイラは頑張っているのにこいつらはちょっとおかしい」とか思う。
中学で生意気なこんなのがスクールカーストで上位とか、ワケわからんマウンティングがあるのは何時の時代も同じなのが悲しい。
ケイラが未来の中学卒業後の自分に送った動画とラストに高校卒業後の自分に送る動画の内容が変わり、父親への嫌悪が薄らいだ時の様子は成長の証だ。これからもケイラには頑張って欲しいと願ってしまう作品だった。
ホラー映画かな?
未来の自分を信じる強さ
思春期の痛〜いを味わう映画の傑作。
裏庭で焚き火のシーンから滂沱の涙。中2だよ?中2で自分の挫折の弔いができる女の子だよ?すごいよ?そら父勇気もらえるよ?
わたしは中2の娘がいてもおかしくない年齢だから父の気持ちもわかるし、かつての人気者なりたいけどなれそうにもないって知ってた中2女子だったからケイラの葛藤もわかる。
みっともない自分に振り回されながら夢中で過ごしていたら、いつしかみっともなかったはずの幼い自分の輝きに気付く。ケイラもいつか。それが大人になるってことじゃないかと思う。
思春期の子が、自分をコントロールできなくてもがく話が大好きで、これもその部類のやつです。
思春期を遠くすぎても、わたしの中にいる思春期の女の子が騒ぐのです。
13才の健気さ、まじめさ、危なっかしさ
中学卒業を間近にひかえてケイラは毎日がんばっている。
YouTubeに投稿する動画は全然見てもらえない。かわいいけど感じの悪い女子にがんばって話しかける、歓迎されないプールパーティーに参加する、片想いの男子にアタックする。
どうすればうまくいくんだろう、そんなことばかり考えて日々緊張する。
一人娘を温かく見守る父親は心配して声をかけるが、娘は素直に反応できない。でも父親の気持ちはちゃんとわかっている。
そんな13才の健気さ、まじめさ、危なっかしさをエルシー・フィッシャーがまっすぐに演じている。
大作でない映画のよさに満ちている。
あー、しかしクソとオタクしかおらんのか、あの国には?
ちょっとダメだ、これは。お父さんとしては、もうね。説教あるのみでしょ、お説教。いや、体罰許可して、お願い。木刀使わせて、頼むから。金属バットとは言わないから、せめて竹刀くらいは。
だいたいやな、お前。好きでもない女の子、しかも初対面の、それも中学生相手に、なんや、その恰好と態度と言葉。脱ぐか普通、脱げって言うか普通、いや普通じゃ無くても言わんだろ。俺の前でやってみ、それ?あぁん?やれや、やれるんか、やれるんか、おんどりゃぁ。いやいやいや、Blowjob要求?馬鹿かお前。脳みそにウジ湧いてるだろ。つまり、お前の脳みそは死んでるよ、機能してねぇよ。と言うか、一回死んでみる?いや、一回死ね、百回死ね、千回死ね、生き返って来るな、永久に。
あーーー、クソクソクソ。出て来る男がクソばっかで腹立つ。
が、そんな映画じゃ無いっす。
COOLになりたい、なりたかった女の子。4年後の自分へのメッセージは、私はこうなりたい宣言。もっと自信もっていこう、と言うか、決意が君をクールにしてくれる、ってだけなんだけどね。って思いました。
真実か、挑戦か?きみの〇〇を〇〇たい
グッジョブ、ハンジョブ、ブロージョブ・・・日本語にすると危険。などと、YouTubeに日記のような投稿するなら、もっと目立たなきゃとも思ったりして、今の世代の子たちは自分を発信するためのSNSが多様化しすぎるために選択するのも大変だと、かわいそうにも思えてきた。もうちょっと前の2000年台ならチャット中心だったろうに・・・
子どもがいる親、まさしく今が同年代といった方には共感できるのだろうけど、そうでない人にはつらいものがあった。ビデオ日記なんてつまらな過ぎるもの。陰で「痛い女子」などとディスられてる気がしてならない。ケネディのお母さんやゲイブ、それにお父さんが彼女を理解してくれてるのだろうけど、やっぱり色々挑戦しなきゃダメだよな~などと、無口賞のケイラを温かい視線で見つめてしまった。
ただ、個人的な感想として、それほど心打たれなかった。かつてチャットをやりすぎたためだろうか、もっと自分を隠して、匿名性のネットを利用することが大切かな。いきなりの顔出しYouTubeはむしろ危険だと思う。
最後にビックリしたのが、動画のケイラの目が大きくなっていたこと。最近じゃ勝手に目を大きくしてくれるんですよね・・・写したことないからわからないけど。『恐怖人形』ではそれをギャグにしてました(笑)。
心が満たされます!
これは絶賛される理由が解ります!
共感することしか無いですよ!
Youtuber兼コメディアンのボー・バーナムの初監督作品である青春映画。
この映画はアカデミー賞にノミネートはされなかったものの、数々のハリウッド監督やオバマ元大統領が絶賛されているので気になっていました。
おまけに「ムーンライト」や「ヘレディタリー」等、数々のアート系映画の傑作を連発しているA24製作というのも期待の一つでした。
そして、「エイス・グレード」は素晴らしい映画でした!
観てる時はほっこりするし、観た後も心が満たされます。
主人公のケイラはクラスに全然馴染めない、いわゆる陰キャな子で、そのケイラが高校に上がろうとするのをきっかけに成長していく物語です。
まずケイラというキャラクターに共感ばかりしていました!
僕も中学の頃はいじめられていた関係で全然クラスにも部活のメンバーにも馴染めませんでした。
そして、そんな自分も高校に入ったら友達が出来て、部活のメンバーともそれなりに仲良くなることが出来ました。
そんな学生時代を過ごしていたので(今でも学生ですが笑)、ケイラの孤独感や学校の疎外感は本当に共感しながら観ていました。
そんなケイラを観ていると僕は応援したくなりますし、微笑ましいし、凄くいとおしい気持ちになります。
また、ケイラを演じた女優も良かったてます。
華がある女優を使わずに、一見地味な子を起用したことでケイラのキャラクターによりリアリティーが出ていました。
あと他に好きなシーンとしては、
自分の部屋でエンヤの「Orinoco flow」を聴きながらスマホを観ているシーン。
馴染めない現実を良い感じに逃避しながら楽しんでいる姿は夢に浸っているようで、父が入ってくると途端に音楽も止まって現実に戻るという構図が凄く堪らないです。
また、ケイラがタイムカプセルを燃やす時の父とのお互いの心境を語り合うやり取りも凄く心が満たされます。
ポスターのイラストにもなっていますが、この映画の一番の名場面ですね。
映像や俳優の演技が特別素晴らしいというわけではありませんが、それでも感動できました。
この映画は大まかあらすじ通り淡々と進行していく上に、低予算であるが故にカメラワーク等が音響がプロっぽくはありませんが、それでも自分はこの映画は好きだと胸を張って言える内容でした。
また観たいですね!
※この映画は9月20日に観に行きましたが、2回目を観てレビューを書こうと思ってずっと書いてませんでした。
ただ、先月が忙しかった上に新作の方を優先していたので観に行けませんでした。
【SNS時代の悩める中学生の姿を父親目線で観て、涙ぐむ】
数十年前の自らを振り返っても、中学は微妙な時期だった。”中”だしね。
SNSの急速な普及で、現在の中学生は友人関係や性との付き合いとか更に微妙なのかな。
前半のケイラの姿は観ていて、少し痛々しい。懸命に”自分を変えよう”とSNSで様々なメッセージを発信するが、レスポンスはない。
”欲しいのは自信と友達と彼氏”というケイラの想いはなかなか叶わない。切ない。
アメリカの就学制度や学校行事(銃対策の訓練などに驚く)も垣間見える部分にも興味を持ったが、何よりケイラの父親に対して、”おい、年頃の娘に干渉しすぎだろう!”と心の中で突っ込む回数数知れず。
ショッピングモールの件では、苛立ちすら感じてしまったが、あの”焚火”の前で優しい表情で、娘に語りかける愛情溢れる言葉を聞いて涙してしまったぞ。素晴らしい父親ではないか!
ケイラが徐々に自分自身を認められるようになり、大学生の自分にメッセージを送るシーンも沁みる。
<声優さんだと思っていたエルシー・フィッシャーが自信なさげに背中を丸めて悩める”エイス・グレード”ケイラを演じる姿がとても愛おしく感じてしまった作品>
内気な主人公の描写が見事
友達や親とうまく付き合えない13才の女の子youtuberの話。
「レディ・バード」の制作陣も携わってるようで、雰囲気が似たところも。
空回り。空虚感。派手な出来事は起きない……。
ただ今作はレディ・バードの年齢の女子に憧れる……ただ憧れる”だけ”の年頃の女の子の話。うーむ、絶妙。
正直、全体では期待しすぎたかなーってトコはあります。
思ったより心がバクバクと動くことはなかった。
でもじんわりと、自分の人生の軌道修正をしたくなる。
そんな映画でした。
この映画の見どころは主人公のコミュ障描写。
ネット弁慶なコミュ障には核爆発級に破壊力のあるシーンだらけで、見ながらうぎゃーーってなりました。
精神状態が弱ってる人だと離脱しちゃうかも;
パーティーで所在なくさまよう。
相手を褒めてるだけで会話が盛り上がらない。
笑顔を貼り付けて話を聞く。
たまに発言したら白ける。
親の好意を疎ましく思う。
ネットでは自己表現しまくり。
僕の映画か?と思えるほどあるあるなコトばかり。
”ちゃんと生きないと”と思わされました;
とにかく内気な主人公の描写が見事。よくここまで描ききったと。
演技も素晴らしい。
おどおどした喋り方や表情はもちろん、肉のたるみ具合や肌の絶妙な荒れ方とか……ケイラになりきってる。
幼いのにすごい演技力です。
Facebookは古いとか、youtuberとか、中1のタイムカプセルからシュガー・ラッシュの映画チケットが出てきたりとかリアルな”今”を描くのもうまい。
そんな”今”の作品なのにBGMにエンヤが使われるミスマッチにニンマリしたり;
すばらしかった
主人公の女の子の水着姿が痛々しくて見ていられない。特に背中の肉がはみ出している感じが生々しくて、運動を全然しないでたるみ切っている。どんなに運動が苦手でも、若い時に体をいくらかでも動かしていた方がいいなと痛感させられる。顔もブツブツでかわいそうになる。水着パーティなんて明らかに場違いで、イケメンの男子を好きになるのも身の丈に合わない。そして高校生の変な男に軽く迫られるのも、地獄だ。
お父さんが野暮ったいせいで、娘も鈍くさいみたいな感じで、身もふたもなく描かれていたのだけど、お父さんが主人公のケイラへの思いを語る場面が泣ける。クラスのエースの女子に、言ってやった場面も最高だった。
微かな変化
クールでありたい願望
家族が父親だけだから
家でも話し相手居ないよな〜あの年頃なら尚更
でも、携帯やパソコンに向けて
自分を外に発信出来るのならいい世の中だわ
携帯すら無かった昔は
それこそ独り悶々とするしかなく
中高一貫だった私は高校デビューもなく…
中二病は万国共通なんですね
エイデンの登場の仕方が毎回笑えるし
彼との繋がりの求め方とか
パーティーの時のカラオケはどっちなんだろう?
上手かったのか下手だったのか
ただ自信満々で歌いました!だと自分に酔ってるキモいやつだし
若いからやり直しは何回でも出来る!
2年前のタイムカプセルは闇過去として葬られたけど
卒業式にはクラスメイトに怒りぶちまけてるし
エイデンの事も中身を知って幻滅したし
次の高校生活でやり直しは出来るから!
更には大学でも社会人でも·····
お父さんの愛情たっぷりな言葉
差し伸べてくれる手があるだけで幸せですよ
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