劇場公開日 2019年12月20日

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「アメリカ版「最強のふたり」」THE UPSIDE 最強のふたり しずるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アメリカ版「最強のふたり」

2019年12月27日
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フランス映画「最強のふたり」のハリウッドリメイク作品。
シチュエーションや話の大筋は殆ど変わらないが、舞台がアメリカに変わった事で、細かいキャラクター設定や結末が、それに即したものになっている。

フランス版がいかにもそれらしく、メランコリックな色彩と色気に満ちていたのに対し、アメリカ版はやや現実的で表現がストレート。
介護者のデルの設定が子持ちの親になっていたり、屋敷が高級アパートのペントハウスになっていたりするのがアメリカらしい。アレクサやネット検索をフル活用している部分などは、原作からの10年近い時の流れを感じさせる。
デルがフィリップの生活に新たな風を吹き込んでいく反面、同伴したオペラにデルがすっかり魅せられてしまったり、フィリップのやり場のない怒りを共有して、デルがインテリアを破壊して暴れまわるなど、2人の距離感の変化を、目に見えやすく現している。
屋敷の使用人各々の個性を垣間見せる群像劇の側面は薄くなったが、その分秘書のイヴォンヌに重要な役回りを受け持たせている。
表情や仕草での細かい心情表現など、主要陣の演技が素晴らしい。

主題に大きな違いはないので、どちらに軍配が上がるかは観客の好みに依るだろうが、両方見比べて違いを楽しむのもまた面白い。

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しずる