「悲愴で終わり、なんだかもどかしいが要点は得ている。」ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち 猫にメガネが似合うなんてさんの映画レビュー(感想・評価)
悲愴で終わり、なんだかもどかしいが要点は得ている。
「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を見てハミングバードプロジェクトを見ました。
作品は色々な要素(特に差別や現代テクノロジーに関する批評的思考)が強く映画を見ながら全てを理解するのは難しいと思います。なので3星。
>テクノロジーに関して
冒頭にヴェガが面談試験の際に
「ノルウェーからスペインまで海底ケーブルを引くとして最少何点で位置補正をしなければならないか?(地球の曲線も考慮するか試験してる)」という試験を受けたり、アントンが「15%の製品誤差を優位な製品のみ抽出した場合光ファイバーの再生機を減らすことが出来る」、「電波伝送で中継器にダイレクトに正弦波で伝送出来る可能性の論文を発表した直後来月までに完成させればボーナスを支給する」などテック系企業ですら頭が真っ白になる話が出てきて面白いです。理解するのに一日かかりました。面白いかは別ですが見ものではあります。
多分まだ理解しきれていないので間違ってたらごめんなさい。
>法律に関して
大手企業が主人公たちに嫌がらせをしてくる場面がいくつも出てきますが、最も興味を引くのが企業側が弁護士を使ってFBIにアントンを国家反逆罪で逮捕させ拘留させたところです。これに関してはアントンの方が上手で法律で嫌がらせする大手を翻弄する場面があり冒頭の部分から楽しめます。法律を無視する連中だと分かっていたのでバックアッププランをアントンは用意していました。アントンは拘置所から大企業を攻撃します。このシーンは法律を利用して、法律を無視する相手にアントンは理解・対応してました。
ちょっと逸れますが原作(フラッシュボーイズ:マイケル・ルイス作)にあった現実の話が数回出てきます。本当に国家反逆罪で逮捕されて8年間監獄に入れられたテクニカルエンジニアがいます。
>差別・宗教的な考えについて
現代アメリカの差別と偏見と実際ステレオタイプな人物と双極の人物が出てくるので混乱します。正直苦々しい気持ちになりますがアメリカという国が否応無しに分かるシーンが幾つも出てきます。この映画はその部分が強すぎたので星3つにした理由がこれです。まあ、初っ端に星条旗を掲げた家主の白人のおじいちゃんが「私はアメリカ人だ、君は何系かね?」とヒスパニック系のヴェガに問い詰めるというシーンがあり現実的すぎます。ちょっと、この系統のシーンがちょっと多すぎる気がしますね。