「ゴリアテを倒せ。」ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
ゴリアテを倒せ。
クリックして本文を読む
多額の損失を残しただけのプロジェクトと言えばコンコルド。採算割れが分かっていたのに止められなかったけれど、あれはゴリアテ。米電気自動車大手のテスラの2018年3月末の累積赤字は54億ドル。おそらく、まだ膨らむが、彼らもゴリアテだと思う。
ヴィンセントは自ら計画し、出資者を見つけ、従兄弟のアントンを巻き込んで、カンザスからNYまで、一直線のケーブルを通す為のトンネルを掘るプロジェクトを立ち上げる。ゴリアテに戦いを挑むダビデだと、自らを鼓舞しながら。
花崗岩の壁に行く手を阻まれ手間取ったり、土地買収に応じないナチュラリスト団体と揉めたり、目標速度を出せるコードが出来なかったり、元会社の妨害と嫌がらせでアントンが逮捕されたり。結局、2年の月日を掛けているうちに、元会社が電磁通信によりヴィンセント達を越える速度を実現し、ハミングバードはコンコルドと同じ運命を辿る事になりますが、ヴィンセントはダビデ。全てを失う事になりますが、プロジェクトの仲間は残る。完成したケーブルで目標を越える速度を実現しますが、金を産み出せない虚しさ。
人生がハミングバードの羽根の一羽ばたき、16msecだったとしたら。それでも、その世界で見るものを見て、感じる事を感じ、生きて死ぬだろう。
時間に掛けたヴィンセントの野望は叶わなかった。そこに人生を掛ける価値はあったのかの問いへの答を求めた二人に、少なくとも、後悔は無かった。
ジェシー・アイゼンバーグ、快演でした。良かった。物凄く良かった!もうね、ゾンビランドへの期待、膨らみまくりですからw
コメントする