「死は哲学する。愛は幾何学する。」やっぱり契約破棄していいですか!? 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
死は哲学する。愛は幾何学する。
死んだら痛みから解放されるかも知れない…
でも死んでしまったら、何も感じない。
ヒトに感情を伝えることもできない。
存在が無になってしまったら
ヒトに言葉を届けることもできない…
主人公である作家を目指す若者の葛藤する姿は
すなわち…
日々、誰かに認められたい!
日々、誰かに想いを聞いてもらいたい!
そんな今のわたしたちをカリカチュアした
人物像かも知れません。
ネット上でも… 実生活上でも…
──※──※──※──※──※──※──※──
苦し紛れの声 苦渋の歌声 稲妻と響け
無理だと言われた距離を越えてみせろ
「言葉にすればたやすくて」って
言葉にしなきゃ分かんねぇよ
君は伝える事 諦めてはだめだ それを届けて
苦悩の果ての果て 惨めなうめき声 ここでこそ歌え
抜け殻になった命こそ鳴らせ
「心にも無い事言って」って
心に無いなら言えねぇよ
僕は伝える事 さげすんだりしない それを届けて
終わったと言われた毎日を あの時確かに泳ぎきった
僕らの両手は 涙を拭う為の物ではないさ
死に損なった朝が眩しい 出掛けさせられてる毎日に
千切れた涙を銃弾として込めろ
それを言葉という
下らない人間くらいが 丁度いい
下らない人間くらいが 丁度いい
下らない人間くらいが 丁度いい
どうせ下らない世界だ
amazarashi / それを言葉という より抜粋
──※──※──※──※──※──※──※──
【生と死】という重いテーマを扱いながら
コメディタッチとブラックユーモアな作風で
割と軽く観れちゃう本作ですが
鑑賞者によっては、その“軽さ”がかえって
深く考えさせられる要因になりえているのかも?
劇中での男女間のやり取りに共感を覚えたわたしは
妙にリアルに感じてしまって…
結果、ツボに入ってしまいました。
そんなことを思った中で
知り合ったばかりの若者カップルと
長年連れ添った熟年カップルとの対比に
わたしはグッときてしまいました…
ウィリアムとレスリー。
情けなくも同情し応援したくなる男性陣に対して
エリーの行動力と牽引力!
レスリーの奥さんの如才ぶりに思わず拍手!
──※──※──※──※──※──※──※──
「ヒトはひとりで生まれ、ひとりで死んでいく」
…なんて言葉がありますが、わたしは嫌い!
実は仏教からきている言葉らしいのですが
たとえブッタの言葉を転じて内省したとしても
自分ひとりだけで生きているなんて
思い上がりもいいところだと思うからです!
…でも今の世の中、
結構ひとりでも生きていけるのよねぇ…
本当のブッタの言葉の真意は
「聡明な者と歩めないのなら一人歩め
愚かな者を道連れとするな」なのです!
劇中でも“バカよりマヌケの方が悪い”
なんて会話がありましたが(笑)
ロシアの殺し屋はマヌケだったんでしょう!
つまり、わたしの伝えたい言葉は
〈人生とは、善い連れ合いを見つけ出す旅である〉と…
あなたの人生に、善い伴侶と共にあらんことを!
たかがコメディ映画の感想のはずが
なんか説教臭くてゴメン!宗教臭くてゴメン!