ハウス・ジャック・ビルトのレビュー・感想・評価
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いききってしまった感。
人間の性悪説を根底に芸術を語るのがラースフォントリアかと考えているが、残酷さもいくとこまでいってしまったらなんかもうひどすぎて笑ってしまう域に。 エンドロールの曲にやっと救われた。
罪悪と善とが絶妙にないまぜに表現されている「奇跡の海」あたりの作品が好きだけど、この作品もたけし映画的な楽しみ方ができそうな感じはする。
情報過多な不謹慎さ
ラース・フォン・トリアー初体験。カンヌ国際映画祭で100名以上の退場者を生んだ作品とは...?と不謹慎なワクワク感で臨む。
私の感覚が鈍磨しているのかなんなのか、R-18指定の鳴り物入り残虐描写も「こんなもんかあ」となり。まあエグいですよ。画的には悪趣味というかね。でも耐えられないものではなく、グロさが無意味に輝くという...(不謹慎ながら)。やりきるとコメディになる感じ...。
むしろ私が耐え難かったのはその縦横無尽なカメラワーク。切り替えだったりぐるぐる回ったり。本気で酔った。「エッセンシャル・キリング」以来の画面酔い。
物語は...殺人者ジャックと(最後に正体?が分かる)ブルーノ・ガンツの対話が不条理なスリリングさ。あらゆる論理と芸術で相手を煙に巻こうとするマット・ディロンと惑わされないブルーノ・ガンツの声のやり取り。歴史、美術、音楽、果てはワインの作り方...実は教養映画なんじゃねーのというかのような情報の盛り込みぶり。
「インシデント」といつまでも完成しないない「ハウス」、ジャックの常軌を逸した「実験」、そしてダンテの「神曲」!という予想をある種裏切るぶっち切りぶり。マット・ディロンのあのサイコパス表情が忘れられない...。
個人的には初っ端のユマ・サーマンが意味不明過ぎて凄かった。なんなんだあれは。ああいうのが心理戦なのか。
ジャックの「ハウス」についてはどことなく想像ができたが、ブルーノ・ガンツの登場の仕方(正体?)がわたしには意外過ぎて「えええっ!」となりました。そう来るのか...。
あとはあの不快を塗り固めた「音」と突き抜けたエンディングがヤバみを増してた。ザ・ベスト・オブ・不謹慎、不条理、意味不明。
ちなみに劇場で多くの人が笑いを堪えきれなかった様子のOCDの描写ですが、あれ超リアルですよ。OCDの人ならあの感覚が手に取るように分かるはず。あの不条理感が一番リアルだったなあ...。
乙一?
今作の監督さんの作品は「ダンサーインザダーク」しか観たことがなく、悪趣味ではありますが、今作でもまた「ダンサーインザダーク」のあのラストシーンのような衝撃映像が観られるかと思い、観賞しました。
結果的には、序盤の殺害シーンがやや物足りなくもありましたが、死体をいじくったり、それらで家を建てるシーンなどは見応えがあり、変に興奮を覚えました。なんだか、小説家の乙一さんの初期の短編作「seven room」と「冷たい森の白い家」を映像で観られたような喜びがあったからかもしれません。
今作の大半が、殺人鬼であるジャックの殺害の手口や、思考(嗜好)を、精神鑑定的に追体験していく内容でしたが、決して彼のような存在を肯定するわけでも崇拝させようというわけでもないのでしょう。
最後の最後まで観れば、それは明らかですし、エンディングでも、それを念押しするような選曲でした。言わば、本編が丸々振りだった、というような作品でした。
退屈とまではいいませんが、二時間半にもおよぶ前振りは、やや冗長に感じましたし、表現も独特なため、正直、かなり疲れました。
とはいえ、おもしろかったです。
自分がこの作品をレンタル店でジャンル分けするとしたら、まず間違いなくコメディに陳列します。
殺人鬼の求める家
これはとんでもない映画です。さすが18禁だけある
あの鬱映画ダンサーインザダークのラース・フォン・トリア監督と聞いたら鑑賞しないわけにはいかない。
巷ではアラジン、メンインブラックなどエンタメ性バツグンの同時期に上映している映画を差し置いてまずはこの映画を見に行きました。
潔癖症、強迫性障害、それにより窮地に陥る主人公や死体を現場に戻して妙な写真に取りに戻るなど、本人大真面目で見ててコメディ要素もあり
色使いが素晴らしくて赤いバンや赤い服、赤い帽子を印象的に使っていた
何度も繰り返されるピアノの映像などで瞬時になにか引き戻される感覚がある
サイコパスの特徴なのか嘘のうまさ、女性にはモテるようで
ほぼ結末には相手の死が待っているので一体どう言う死が待っているのだろう?と言う興味が湧いて釘付けになる
面白いのは殺害する人間の背景がいまいちわからないのであまり同情できないこと、主人公を深く知りもしないのにあまりに無防備でバカに見える為に殺される側にあまり感情移入することがないので主人公視点からやってしまえ!なんて不謹慎な気持ちになったりもしたが
子供も容赦なく殺害する上で母親との絶望的なピクニックシーン、その後死体の表情を無理やり変えるこだわり、笑顔の子供が映り込むたびに恐怖を感じた
タイトルの通り、家を何度も作っては解体しラスト理想の家が作れたのだが理想の材料はブロック塀でもなく木でもなく
死体だったのは印象深かった。
どこがで自分を止めて欲しいと言う気持ちからパトカーのサイレンは止めなかったのだろう、地獄?への描写とラストの
自分自身が執着していたネガになるシーン
見事な起承転結でした。
ひたすら苦痛、だけど見てしまう。
殺人の衝動を、主人公が外灯に写る自分の影で語っている所の表現が印象に残りました。
そして、謎の声が「しかし、それは他の衝動でも言える事だ…」と言い、確かにと共感してしまった。ある意味、殺人の衝動を少し理解した様な、謎の感覚に恐怖を感じました。
この映画の言いたい事は、このシーンに一番現れている気がします。後は、二時間半も苦痛が続く…。 二度と見たく無いけど、不思議な魅力があり最後まで見てしまい ました。 相変わらず、トリアー監督は女性を酷い目に合わすのが好きなサディストですね。そして、観客には優しく無い…。 そこが魅力なのかな?良く分からなくなってしまいました。
たまにはこんな映画も
頭のおかしな殺人鬼が、人を殺していく過程を淡々と見せられて、かなりツラいものがあった。覚悟はしていたが、サイコパスの内面を描くとこうなってしまうんだな、と困惑した。殺人鬼を追う者がいる訳でもなく、殺人鬼から逃げる様をスリリングに描く訳でもなく、エスカレートしていく殺人と死体をコレクションをする様を、殺人鬼の視点で描いている。ラ―スフォントリアーは相変わらず嫌な映画を作るものだ。最後はキッチリとケリをつけてくれるので、見終わった後は面白かったなあと思えた。絵画のような美しい映像も見応えがあった。
ガツンときた
シリアルキラーに寄りそう表現で、最初の女のように死んで当然みたいな被害者もいるのだが、子どもを殺すところはつらい。しかもその後、死体をおもちゃにしていてひどい。しかし本人が衝動に突き動かされているだけで、決して楽しんでいるわけでない感じも怖い。
最後の地獄はなんだ?
二度とは見たくないけど傑作だ。
デートでは絶対見てはいけない映画
殺人シーンてんこ盛り。
特に母親の目の前で子どもをライフルで狙撃するシーンとか…
いくら映画でもいかんでしょ、あれは。
売春婦の乳房を切り取るシーンとか、映画とわかってても目をそむけてしまい、見れなかった。
とにかく後味の悪い映画。
ラース・フォン・トリアーが天才なのは
わかるし、編集の仕方にもその天才さがあらわれてたとは思うけど、何を言いたくてこの映画を作ったのかわからなかった。
天才の頭の中は理解できん…
ドックヴィルは面白かったのになー
本筋と関係無いけど、マット・ディロンはいつまでもカッコいい!でも、よくこの役受けたな…
逆にユマ・サーマンはすっかりおばちゃんに…ガタカでは超絶キレイだったのに…
サイコー
劇場で笑いをこらえるのに苦労しました。
隣の席の女性が、目を伏せたり、ため息ついたり、席を立ったり、リアクションに忙しくて、、
この作品の素晴らしさや愛らしさに気づかずただのグロ映画として観ているなら悲劇です。
戦慄、胸糞、ユーモア、爽快
サイコーでしたね、サイコ野郎だけに、、
エンドロールなんてみんなで肩組んで大声で歌いたい気分だったよ。w
近日中にもう一回観たい映画です。
この映画自体がジャックの家
シリアルキラー分かったふりして、女性や子供を殺す胸糞悪い映画
これ理解する必要あります?
人生で見る必要のない映画。
そもそも、地獄に堕ちるとかいつの思想だよ。
生きてるうちに裁かれろよ。
シリアルキラーの内面に迫る
すごい映画だった。シリアルキラーの内面にあそこまで近づいて表現していることが驚異的だ。
そして映像は徹底的なグロさを淡々と写し出し、その一つ一つが彼にとっては必然だから恐ろしい。
謎の男との会話を聞いていると自分もその世界の住人となって、あっち側に行ってしまいそうな感覚に陥ってしまった。きっと、私だけじゃない。
糞変態監督の大傑作
世界一の 変態監督 ラース・フォン・トリアー 最新作 「ハウス・ジャック・ビルト 」
気が狂ってる 殺人鬼 を
気が狂ってる監督が撮った傑作。
今日現在、私の 本年度一位 である。
これハリウッドでは無理。
ヤバ過ぎて。
ラース監督や ミヒャエル・ハネケ 監督の世界が逝ける人のみお勧めします。
理解不能だった
見るに耐えないシーンが続き、ひたすら苦痛だった。途中、退席したかったが、とりあえずは最後まで観た。
結果、見届けたのは良かったと思う。しかし、何かドンデン返しやら、胸がすく思いがする訳ではない。
後から、物語のストーリーやエッセンスをまとめている方々の記事を見てみると、この監督の考え、感性、理屈が各場面で反映されていることを知った。
この監督の作品や人となりを知る人には楽しめる作品なのかもしれない。
サイコスリラーではない。
本作はサイコスリラーと紹介されているが、全くサイコスリラーではない。
たくさん殺人シーンが出たり、家族殺しや、少年の残虐シーンもあるけど、全てはメタファーだと思う。
これは、神と人間の領域の話。
善と悪の定義の話。
全ては、人間の原罪についての物語だととらえる。
それにしても、この監督自体、取り上げるテーマと描き方が、悪魔的思考で凝り固まった変態だと確信した。
しかし、現実世界では到底許されない世界からドラマをつむぎだそうとする努力は買います。
アメリカで全編上映できないのは、日本より勧善懲悪の思考が、民族や人種によって、はっきりとしているからだと思う。狩猟民族の映画。
最後の赤いガウンは、キリスト受難の日、そのものではないか。
なんと評価すべきか…
予告編だけは観ていたので、殺人鬼の話なのね、程度にしか思っていなかったが、色々な意味で裏切られた感はある。
スラッシャーホラーというと、謎の強い男(化け物)が人を切り刻み、手や首、目玉がコロコロ、血飛沫バジャーというある種の爽快感があるものだが、本作品はそうではない。確かに主人公ジャックは人を殺すのだが、その必死さやリアクションに、ともすればコミカルさを感じてしまう。なんとなれば、彼は死体を冷凍してしまうのだ。まったくジメジメしない話であり、例えば警察側との激しいチェイス、などを期待すると大いに失望することになるだろう。
ゴシックやバロックをテーマに、全体として地獄への繋がりを目指したものと思われるが、どうにも中途半端でまとまりに欠けた印象だ。あそこまでグールドをディスったのだから(クラシックファンとしては言っておきたい)、もう少し頑張れたのではないか。
殺害がだんだんと手馴れていくとともに、マット・ディロンもイケメンになって行くのに苦笑。しかし、いわゆるシリアルキラーとしての台本上の描写は浅薄で、あまり見るべきはない。
最後にジャックは死体で家を完成させるが(最初からそうしろ、と思わず突っ込んでしまった)、そこから煉獄〜地獄への穴が空いてしまう。このあたりが非常にシュールで、結局はゲヘナへ落下するジャックには蜘蛛の糸を感じさせた。キリスト教圏であればもっと共感できる何かがあったかもしれない。
2時間半を越える尺で、特に内容がない、となれば評価を悪くしたくなる所だが、どういうわけかそうはしたくならない不思議な印象だ。とりあえず、映画マニアとグロ好きな人にだけは推薦できる。一般的な感性の人を連れて行くのはやめた方が賢明である。
最後のテロップも苦笑。虐殺カットを入れておいて、人間は動物じゃないってか。ところで、邦題が覚えづらくないですか。
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