「殺人鬼の求める家」ハウス・ジャック・ビルト まあ映画好さんの映画レビュー(感想・評価)
殺人鬼の求める家
これはとんでもない映画です。さすが18禁だけある
あの鬱映画ダンサーインザダークのラース・フォン・トリア監督と聞いたら鑑賞しないわけにはいかない。
巷ではアラジン、メンインブラックなどエンタメ性バツグンの同時期に上映している映画を差し置いてまずはこの映画を見に行きました。
潔癖症、強迫性障害、それにより窮地に陥る主人公や死体を現場に戻して妙な写真に取りに戻るなど、本人大真面目で見ててコメディ要素もあり
色使いが素晴らしくて赤いバンや赤い服、赤い帽子を印象的に使っていた
何度も繰り返されるピアノの映像などで瞬時になにか引き戻される感覚がある
サイコパスの特徴なのか嘘のうまさ、女性にはモテるようで
ほぼ結末には相手の死が待っているので一体どう言う死が待っているのだろう?と言う興味が湧いて釘付けになる
面白いのは殺害する人間の背景がいまいちわからないのであまり同情できないこと、主人公を深く知りもしないのにあまりに無防備でバカに見える為に殺される側にあまり感情移入することがないので主人公視点からやってしまえ!なんて不謹慎な気持ちになったりもしたが
子供も容赦なく殺害する上で母親との絶望的なピクニックシーン、その後死体の表情を無理やり変えるこだわり、笑顔の子供が映り込むたびに恐怖を感じた
タイトルの通り、家を何度も作っては解体しラスト理想の家が作れたのだが理想の材料はブロック塀でもなく木でもなく
死体だったのは印象深かった。
どこがで自分を止めて欲しいと言う気持ちからパトカーのサイレンは止めなかったのだろう、地獄?への描写とラストの
自分自身が執着していたネガになるシーン
見事な起承転結でした。