「窓から手を出したらあかん」ある少年の告白 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
窓から手を出したらあかん
いや、それは本題ではないのだが・・・。
アメリカや西欧は日本に比べて同性愛に寛容なイメージを持つ人も多いかもしれないが、一方でキリスト教と文化が密接に結びついていて、宗教に熱心な家庭な多く、その多くは保守的である。
家族を悲しませているという本人の罪悪感をあおり、矯正施設でやってもいないことを「告白」させられる。逃げ出せる人ばかりではないだろう。
多様性を尊重する、と言えば簡単に聞こえるが、たとえリベラルを気取っていても実際に子供が同性愛者と知って動揺しない親は少ないだろう。親は、自分たちのように結婚して子供をもうけて欲しいと、出来れば良い大学へ行って年収の高い職業について欲しい、など思いやりという形の身勝手な期待をかける。我が子が一生結婚しない、子供ももうけない、孫を抱くこともない、と言うことをすんなり受け入れられる親は少ない。実際のところ異性愛者であっても誰もが結婚できるわけでも、子供を授かるわけでもないのだが。
近年、同性でも結婚できる国もあることにはあるが誰もがそういう国に生まれられるわけではない。
この映画は事実に基づいているが、どんなに同性愛に対する制度が整っていたところで最後は家族と向き合うしかないのだと考えさせられる。そして現実に安易なハッピーエンドは来ないのだ。
コメントする